限界をこえた練習の代償
一晩で100回おどった潤平(じゅんぺい)は、疲れている。
本番前に参加者が練習するのを見ながら、
自分は立つこともできず、しゃがみこんでいる。
「こいつが優勝するんだろうな」と他人の踊りを見比べる。
体がつらくて何も考えられない。
この状態でまともに踊れない。
潤平を徹夜で踊らせた責任を問われ、
中村先生は、Sクラスの指導をはずされることになる。
それにもかかわらず中村先生は本番に期待している。
うまくいくのか?
舞台での異常感覚
観客の表情が驚きに満ちる。
審査員たちの表情も驚きに満ちる。
音楽が潤平の体に鳴り響く。
「カウントを自由にとっていいぞ」
という中村先生のアドバイスがどんな効果を発するのか?
一年間ひたすら地道に繰り返した訓練がどう効いてくるのか?
厳しい訓練の効用
野球選手のダルビッシュ有は、
昔ながらの練習方法を否定している。
走り込みや千本ノックは、
体力を消耗する割に上達は期待できない。
試合で実際に必要な動きを考え、
それにあわせて訓練するほうがよいのだろう。
体よりも頭を徹底的に使う、別な意味でつらい作業だ。
いっぽうで、ハードな練習に
明け暮れるべきだという考えもある。
疲れ切るので、余分な力を使うことができなくなり
無意識のうちに、体が楽をしようとする。
脱落するものが多いが、生き残ったものは
無駄のない、力の抜けたフォームを
身につけるという。
何か特別なことが潤平に起こっているが
それが何なのか全く分からない。