るおうを追跡
サマースクール8日目の最終日。
潤平は部屋のドアを叩く。
るおうを発表会に行かせたい。
るおうこそ一番すごいやつだから
みんなに力を認めさせたい。
しかし部屋は空っぽだ。
るおうはどこかへ行ってしまった。
よみがえる過去
ドアを叩く潤平をみて、都は昔をおもいだす。
るおうの行き先に心当たりがある。
「おばあ様」のところだ。
ふたりは祖母のいる福祉施設へ向かう。
るおうを迎えにいくのだ。
道々、都は祖母について話してくれる。
都の回想
都がるおうにあったのは7年前。
小学校に上がったばかりのころである。
回想シーンの都は幼くて可愛い。
るおうもまた無邪気で素直。
人を疑うことを知らない。
一生懸命で素直な子どもたちだ。
はじめて対面する「おばあ様」は異様な雰囲気をまとっていた。
「眠りの森の美女」にでてくる「カラボス」のようだった。
呪いをかけて眠らせる悪い妖精である。
古びた大きなお屋敷に住んで、
るおうを閉じ込めている。
五代家の因縁
祖母はバレリーナだった。
ロシアに渡ってトップを目指したが
挫折して日本に帰り、結婚した。
出産後すぐに出奔。
ロシア人ダンサーとの間に子どもを作った。
自分の子どもをトップダンサーにするためだ。
執念。
生まれた子は、成長してアイドルになり、あっさり脱走。
孫が残された。
るおうである。
祖母は、るおうにバレエを仕込むべく
完璧な環境をつくった。
るおうは、バレエのために監禁されていた。
いわば昔の仮面ライダー、改造人間である。