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【ダンス・ダンス・ダンスール ネタバレ】5巻45話

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るおうの自殺

都はるおうの家へ走って行った。

急に不安でたまらなくなったのだ。

るおうは自殺しているかもしれない。

昨晩モーツァルトの「魔笛」を見た。

パパゲーノの自殺のシーンである。

恋人がいないのが悲しくて首をつろうとする場面。

誰か止めてくれないかな、と何度も周りを見る。

おさない都は、るおうを思いだし心配になった。

るおうの部屋のドアを叩くが反応がない。

外に薬のビンが転がっている。

本物のるおう

都は必死だ。

るおうは死んではいけない。

「本物のるおう」

都のお母さんと同じように本物。

木登りから降りてくるるおうを見て

都ははらはらと涙をこぼす。

本当に大事なものが死んでなくてよかった。

木から飛び降りる姿が美しい。

猫のようにしなやかだ。

「るおうはずっと踊っててね・・・」

一緒に踊るよね?

るおうは応える。

「僕も、都にずっと踊っててほしい」

都はるおうのダンス仲間なのだ。

るおうは祖母以外の人間を知らない。

都だけが友だちで、バレエのことも話せる相手だ。

バレエをやっているかぎり都と会える。

都とずっといたい。だから踊っていて欲しい。

本物のるおうに求められるなら

都にも踊るだけの価値があるのだ。

都だって踊りたい。

るおうと一緒なら自分にも意味がある。

「おどりたい」

というと、るおうは嬉しそうに笑う。

イバラに花が咲いたように。

るおうとの別れ

突然、ふたりは引き離される。

祖母がるおうを発見したのだ。

「いいのよ。そのコの家の住人になっても」

「行くなら行きなさい」

言葉では選ばせているが、るおうは選ぶことなんてできない。

おばあ様は、るおうの唯一の保護者だから。

母親が自分を置いていったあと、ずっと食べさせてくれた。

厳しくバレエを仕込むのも、るおうに想いを託しているからだし。

るおうはしおしおとレッスン室に戻る。

卑怯なやり方である。

都がドアを叩いても応えが返ってこない。

「わたしお姫様になる」

「るおうのこと守るの」

「るおうがずっと楽しく踊れるように・・・」

ふたりの再会は数年後になる。

潤平と都は・・・

こんな話をされてもどうしていいか分からない。

ふつうは。

「ずいぶんいろいろあったね」としか

言いようのないエピソードだ。

潤平はいいやつである。

るおうに悪いことをした、と思う。

るおうには今も昔も都しかいない。

都はあいつの側にいてやんなきゃ。

(そんなこと言っても・・・)

ショックを受けた都はバスを降りて走り出す。

砂浜でもみあう都と潤平。

手をつないだまま向かい合うシーンはたまらなく切ない。

 

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