120%獲得
子どもバレエ公演の最終日。
団員たちに星の紙吹雪が落ちる。
「また観たい」のアンケート用紙だ。
最高のサプライズである。
うれしい結末だった。
全力をつくした公演が終わり
団員たちは旅館で虚脱する。
やりきった後の脱力感に浸っている。
「終わってしまった・・・な」
「もっと踊りたいな・・・・・・」
アンケート用紙を見ながら気持ちは満たされている。
綾子さんは宿舎を訪問し、メンバーに頭を下げてお礼を言った。
天も、紅乃もあいも薫も一皮むけた。
ワッシー先輩だって。
綾子はあくまで理性的である。
利用価値のある人間は捨てない。
バレエに対して誠実さをつくす。
YAGPに参加宣言
潤平は抜け出してひとりで練習している。
舞台での感覚が忘れられなくて身体で追いかけている。
「孤独と闇に、
意識がとぎれて
輪郭が分散して・・・
すべてと同化した・・・
あれ」
「光が爆ぜる世界」
もう一度あれがほしい。
るおうも同じものを感じたのかも。
るおうと同じ舞台に立ちたい。
潤平は綾子に申し出る。
「俺っ・・・YAGP出ていいですか・・・!?」
綾子からの援助
YAGPは何のために受けるのか?
通常は、奨学金をもらって海外留学するために参加する。
綾子はあっさり潤平の参加を認めた。
夏姫の参加もだ。
生川からの援助が出る。
予選だけでざっと40万円。
お金と引き換えに、ゆくゆく生川に入団する意思を表明しなければならない。
潤平はあっさり宣言する。
「まだまだ生川で学ぶことあるし留学はしません!」
YAGPに参加するのは成長のため。
そういうことで落ち着いた。
いよいよ次の段階
世界進出だ。
コンクールとかワクワクするわ。
夏姫はあくまで、生川を出るためにコンクールに出ようとする。
海外で一流のダンサーになれば
自分は自由だ。
潤平とは対照的である。