5巻表紙は
潤平とるおうが絡み合う。
ふたりとも手指が長い。
お互いのアゴに手をあてがい
こっちを見ている。
茶色い瞳、茶色い髪のるおうと
黒い瞳で黒髪の潤平。
水彩絵の具のにじみがロマンチックだ。
5巻は、43話から51話まで
るおうと都、潤平の三角関係にけりがついて
潤平が生川綾子に認められるまで。
おさない頃からの抑圧を
踊りにのめり込むことで
突き抜けていくるおうが美しい。
現状を脱却するためには
今の環境をとことん突き詰めていくのが
いちばん有効な方法ともいえる。
43話は、るおうの過去
潤平がるおうを追って来たが
るおうは疾走している。
都が語り始めるるおうの過去。
恐ろしい魔女のような
祖母からの抑圧の話だ。
44話は、るおうと都の関係
おさない頃から、るおうはなかば監禁されて
バレエを強要され、素晴らしい才能を示す。
都は、自分の意思に任され練習するが
母からは素質なしとみられる。
お互いの存在が、お互いの救い。
ふたりの共依存がはじまる。
45話は、三角関係の完成
お互いの存在だけが
ふたりにとっての救い。
るおうと都はバレエを通じて
完全な共依存となる。
潤平はふたりの間にうっかり
入り込んだことを自覚する。
潤平だってるおうを好きなのだ。
どうすればいい?
46話は、るおうの祖母
失踪したるおうは、祖母のところにいた。
るおうが自由に生きるためには
祖母からかけられた「呪い」を
解かなければならない。
認知症のため、もはやるおうを
認識できない祖母の前で
るおうと潤平、都は踊りはじめる。
47話は、『白鳥』再演
『白鳥』を踊るうち、感情が高まる。
るおうのなかにどす黒い気持ちがわき上がる。
幼い頃からの満たされない思い。
母も祖母も自分を見てくれなかった。
そして都も自分を離れていく。
ふくれあがった感情が
「悪魔」ロットバルトの内面を満たす。
48話は、るおうの「悪魔」
るおうの踊りが高まる。
異常なほどの表現力をもって、
悪魔的な殺意と孤独をみせた。
居合わせた人が固唾をのむ異様な表現。
都はるおうのもとに帰った。
残された潤平は走り去る。
49話は、潤平の帰還
生川ではサマースクール最終日だ。
最後の発表会を終わり、
「スペシャルスチューデント」は
海咲が最有力候補だ。
綾子があいさつと講評を終えて
部屋を出ようとすると
潤平が飛び込んできた。
50話は、潤平のバリエーション
潤平はそのまま強引に踊りはじめる。
甘いところが多々のこる踊り。
しかも途中で転倒してしまう。
しかし潤平はアドリブで踊りを再開。
都の喪失を,ダンス表現に生かしてしまう。
51話は、奨学生の決定
潤平のバリエーションは
会場をさらい、拍手がおこる。
「スペシャルスチューデント」は
海咲か?それとも潤平か?
綾子は最後の質問を投げかける。
五代バレエスタジオと縁を切って、
100%生川に従う気持ちはあるか?