社交ダンス

【パートナー ネタバレ】文庫版第1巻 6

更新日:

ダンスと喫煙

「ぼくみたいにタバコがないと生きられない人間は

一流の現役選手にはなれないからね」

(名香智子『パートナー』文庫版第1巻383ページ)

日本オープンに参加した茉莉花(まりか)はフランツに再会する。

茉莉花がずっと忘れられなかった、あの男だ。

壁にもたれてたばこをすっていた。目が合う。

フランツの素性が、茉莉花にようやくあきらかになる。

世界ダンス協会会長の義理の息子。

貴族階級で、幼いころからダンスもしこまれていた。

じっさいに宮殿の舞踏会に参加する人間だ。

世界が違う。

競技会のあと、茉莉花とフランツは語り合う。

茉莉花はあらためて思う。

フランツはちがう世界の人間だ、と。

向こうは本物の舞踏会の世界、

自分は競技会のダンス。

でもいま自分がいる

この世界のほうが魅力的だ。

そんな遠いふたりが

おしゃべりできるのは、ロビーの喫煙所だった。

タバコをくわえたフランツは美しい。

フランツはまつげが長く、色が白く、目が青い。

手足が長い。

白いスーツにストライプのシャツが似合う。

そんなやついない。

うつむいて紫煙をくゆらせながら、

フランツは茉莉花に話しかける。

子猫を遊ばせるような、

余裕あるしゃべりかただ。

茉莉花は、落ち着かない。

この人は私のことを好きなのか?

それともからかっているだけなのか?

育ちがよくて、賢い人間がタバコを吸うとき、

喫煙は、優雅な印象をあたえる。

進んだ文化の退廃。

このマンガのあいだじゅう、

フランツはタバコを吸いっぱなしだ。

心肺機能を低下させるため

ダンスをするうえでタバコは有害だ。

それなのに、タバコを吸うダンサーは確実にいる。




-社交ダンス
-

Copyright© ダンスマンガ好き , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.