不登校の終わり
るおうがはじめて登校してきた。
潤平は気になってしかたない。
バレエを習っていることがばれたくない。
様子をうかがいにのぞきに行く。
しかしスタジオとで印象がまったく違う。
踊っているときは自信に満ちているのに、
教室ではメガネをかけ、うつむいて小さな声で話す。
勉強がわからない。英語以外。
クラスメイトが注目している中で
るおうのヒエラルキーが下がっていく。
学校は厳しいマウンティング競争の場なのだ。
歯止めがきかない。
スキを見せたら餌食になる。
兵ちゃんが目をつけて、まず集団で精神攻撃をはじめた。
いじめ開始である。
バレエのためにすべてを捨てる?
潤平は戸惑う。
あいつはなんであんなに違うのか?
るおうは学校生活を捨てているのか?
バレエだけが大事で、友だちとかどうでもいいと
ダンスのことを考えていれば素晴らしく踊れるのか?
潤平は今の人間関係を捨てることはできない。
自分はひとを裏切らない。
そう思って父親の遺影にジークンドーの礼を行う。
男は仲間を大切にするのだ。
いじめの原因
兵ちゃんグループからのからかいはしつこい。
いじめは、子ども社会のやり方だ。
というか、大人もいじめをするから、
いじめは人間社会のルールなのだ。
何かの犠牲者を作って、集団の安定を保つのだ。
理由は何でもいいが、それっぽいものが見つかればなおいい。
るおうに関するあらゆることが、いじめの原因として検証されはじめる。
そして格好の話題が見つかる。
名前と母親だ。
流鶯(るおう)は中国語で売春婦を意味する。
ネットで検索すると、台湾の売春婦と日本の焼酎がヒットする。
ドキュンネームというやつだ。
そして母親はスキャンダラス・アイドルだった。
このふたつに触れられたるおうは初めて反応する。
兵ちゃんのスマホを投げつけて破壊したのだ。
いじめ本格化の始まりだ。
読んでいて心が痛むわ。
バレエマンガにいじめはつきものだ。
トゥシューズに画鋲いれたりとか。
人間関係の引っ張り合いがバレエの美味しいところだからか?
いじめを通して精神が鍛えられるなんてことがあるだろうか?
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