合唱コンクールあるある
潤平の学校で合唱コンクールが行われる。
中学校の代表的な教育イベントだ。
クラスごとにスローガンを決めて練習。
みんなで団結して絆を深める。
本番は教育の成果をデモンストレーションする場。
みんなで頑張ればこんなすごいことができるよ、と。
保護者を呼んで、他校の先生を呼んで
うちの生徒をアピールする。
そして男子たちは歌わない。
人前でこんな曲歌って楽しいわけない。
お仕着せで強制されてる気がする。
はりきってリードする女子がいたりして逆に興ざめだ。
男子は声ちいさい。練習をさぼる。
建前に乗っかって素直に頑張る気になれないが
学校を休んでまで抵抗するほどのことじゃないかな・・・
こうして中途半端な本番を迎える。
男子も女子も先生方も妥協して、ほどよい着地点を探すのだ。
世の中こんなもんである。
潤平の迷いが重なる。
かっこよくありたい。
どうすればかっこよくなれる?
反抗がかっこいい?
兵ちゃんグループは合唱コンクールをつぶす方法に出る。
作られたレールを軽く受け流して拒否する。
課題曲は歌わない。
代わりに放送室から歌謡曲を流す。
そして女子の制服をいじめられっ子に着せ、ステージに突き出す。
冗談の体で。
彼にめんどくさいことを押しつけて
舞台の上にいるのは犠牲者だ。
るおうである。
学校生活の落語者で同時に天才ダンサーだ。
メガネをはずすと美少年。
舞台でさらし者にされるるおうは、潤平に現実を突きつける。
どんなに素晴らしく踊れったってなんの役にも立たん。
おまえはどうする?と。
そしてるおうが踊りはじめる。
るおうにはバレエしかないから。