成功を→それは悪魔へ
ロシアのことわざである。
マンガ『ダンス・ダンス・ダンスール』にでてくる
キーワードだが意味がよく分からない。
いちおう、マンガ内では翻訳が付いている。
「ニ プーハ ニ ペラー(Ни пуха ни пера!)」
→成功を祈る
「ク チョールトゥ(К черту!)」
→それは悪魔へ
全部がうまくいくおまじない、とのことだが
直訳すると・・・
「獣も鳥もとれませんように」
「地獄へ墜ちろ」
となる。
もともとは狩りにでる猟師にかける言葉だった。
やはり分からん。
ロシア人の感覚
ロシアでは願い事は言葉にしてはいけない。
周りに悪霊が潜んでいて、邪魔しに来るから
成功したかったら、心に隠しておかなければいけない。
むしろ逆のことを言って悪霊をだまさなければいけない。
なかなか迷信深い感覚だ。
猟師に「獣も鳥もとれませんように」というのは
悪霊をだまして、邪魔させないための声かけだし。
「地獄に墜ちろ」という返しは、
それを受けてのののしりあいだ。
成功をはばむものを注意深く排除する。
仲間と協力して成功を確実にする。
そのための建前の交換だ。
説明が長いわ。
ともあれ、そういう理由でロシア人はあいさつを交わす。
「ニ プーハ ニ ペラー」
「ク チョールトゥ」
表面ではののしりあいながら、心では成功を願う。
試験とか本番の前にかわすお決まりの言葉である。
迷信の効用
現実世界ではどんなに努力しても届かないことがある。
実力あるものが万全の備えをしてのぞんでも
失敗する可能性は0ではない。
だからこそ絶対成功するためにおまじないを唱えるのだ。
たとえ迷信だとしても。
「ニ プーハ ニ ペラー」(獣も鳥もとれませんように)
「ク チョールトゥ」(地獄へ墜ちろ!)
言葉を交わすことで仲間どうし気力を高めるのだ。