トウシューズとはどんなもの?
潤平に続いてワッシーが
マッチョな踊りで観客を沸かせた。
潤平は司会に戻る。
宴会芸の白鳥を着てしゃべる。
あくまで客ウケ重視の姿勢だ。
「みんなトウシューズって知ってる?」
バレリーナが履く専用の靴だ。
つま先が堅くなっている。
履きこなすのには時間がかかる。
何年もの基礎訓練を完了して
足慣らしをしてようやく使える。
潤平は子どもたちの前で
トウシューズを履いてみせる。
(勝手に持ち出したやつだ)
まともに歩けない。
「小さな白鳥の踊り」
ヨタヨタ歩きでウケをとってから
潤平は次の踊りを紹介する。
ぜんぜんちがう。
動きがキレキレだ。
プロの踊りである。
白鳥の3人が3人とも
厳しい鍛錬を経て
ここまで来ているのだ。
素質に恵まれ、努力を重ねてきた白鳥たちは
いま3人とも課題を抱えている。
白鳥たちの悩み
紅乃の課題は、モチベーション維持だ。
30歳で結婚したばかり、
もうプリンシパルになるとは思えない。
どんな気持ちで向き合えばいいのか?
3歳からバレエをはじめて
ずっとバレエ漬けだった。
ひたすら踊るのが楽しい
という子どもの気持ちを取り戻したい。
あいの課題は、華奢さと甘さ。
もともとが男らしい性格で
強いキャラをやるのが好きだ。
田舎育ち
女子校育ち
恋愛経験0
男らしさを克服するよう
綾子から言われているのだ。
「16公演すべていちいち王子と
本気で愛し合ってらっしゃい」
薫の課題は、舞台での表現力だ。
素直で真面目。
先生の指導を吸収して
みるみる上達した。
コンクールも次々と制覇。
だが舞台に立ち続けるには足りない。
審査員ウケする踊りを脱して
観客を引き込めるようになりたい。
バレエを続けるのは厳しいことだ。
舞台に立ち続け、
お客様に喜んでもらうために
自問自答と実験を繰り返す。
プロの苦闘を観られるとしたら
子どもバレエは貴重な機会だ。
今回はメンバーみんなが
自分自信を振り返ることができた。
「今日の舞台は俺には120%だわ」
潤平も満足である。
でもやっぱり踊りたい。