YAGPって何?
YAGPにエントリーして海外に行く!と宣言した夏姫。
「何それっ・・・俺も出たいっ!」
そういえば、るおうもコンクールに出るんじゃないか?
都もだ。
YAGPは、世界規模で行われるバレエコンクール。
本選はニューヨークでおこなわれるが、日本予選に出るだけでも海外進出の可能性が広がる。
世界のダンス関係者に自分をアピールできる。
入賞すれば海外留学したり、そのまま海外のバレエ団に入ったりできるかも。
潤平は『ドン・キ』のバジルをやりたい。
夏姫は『ドン・キ』のキトリをやりたい。
ふたりでパドドゥだってやりたい。
夢が広がる。
子どもバレエ教室
しかし潤平はためらう。
もっと生川で教わることがある気がする。
子どもバレエ公演だって、日本にいてこそ体験できる。
今やっていることが勉強になっている。
小学生たちの反応が楽しい。
そして自分たちの工夫が舞台への評価に数字になって出てくる。
貴重な経験だ。
いっぽうで潤平は気づいてしまう。
夏姫は身体が変わった。
成長期だ。
風呂での女子トーク
「どうして皆さんは生川に・・・?」
夏姫は団の先輩方に尋ねる。
合宿の入浴中だからこそきける本音トークだ。
みなバレエのエリートで海外留学もしている。
それなのになぜ日本のバレエ団に帰ってきたのか。
夏姫は本気で理由を知りたい。
先輩方は、夏姫に海外チャレンジを勧めてくれる。
生川バレエ団には恵まれた環境がある。
世界に日本のバレエを認めさせるべく
着実に実績を積み上げてきている。
目先の利益より、団と団員の成長を
だいじにし、計画的に運営を進めてきた。
スクールにも奨学金制度を設けた。
それでも
「海外、チャレンジしたいならしたほうがいいよ!」
生川の価値が分かるのは、海外で闘った経験があるからこそだ。
夏姫の成長
潤平はYAGPの情報をチェックしている。
男子部屋でひとりだ。
風呂上がりの夏姫が入ってきてとつぜん脱衣する。
唐突。
「ねぇ・・・ちゃんと見て」
そのままで布団に入ってきた。
潤平はこらえるが、たまらない。
サクランボ的なものが破裂する。
なんと言っていいかわからんが、そういう画だ。
夢オチ。
夏姫が女らしくなってきたのだ。
無意識で、潤平は夏姫に刺激されている。