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【ダンス・ダンス・ダンスール 考察】海咲の人生計画

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海咲という男

海咲はクレーバーな男だ。
頭がよくて野心もある。
バレエを何より第一に考えて生きている。

ピュアなのだ。
できることは何でもする。
バレエの邪魔になることは除外する。

腹黒な京都人ではあるが、
それだけではないのだ。
おのれのルールをきちんと持っている。
自分を客観的に見つめることができる。
自分の足りないものチェックし
短所をカバーするべく努力を怠らない。
周囲をよく観察し、よいものはためらいなく取り入れる。

潤平とは正反対だ。
潤平は衝動的に生きている。
才能にあふれていて突発的に行動する。
やっておいて後から「あんま考えてなかった」
と自分でびっくりしている。

短期集中で驚異的な結果を出す。
だが不安定だ。

潤平は今まよっている。

生川バレエ団を出て海外へ行くのもアリかもな。
海外おもしろそうだしワクワクするよな。
だから潤平は海咲の考えが気になるのだ。

「・・・海咲は、生川狙いブレないけどさ・・・」
「海外は、もうまったく考えてないのか?」

海咲の人生計画

海咲は揺らがない。
第一の目標は「生川に入りプリンシパルになる」ことだ。
生川のトップとしてダンサー人生をまっとうする。
舞台で踊れる期間はそう長くない。

30代が精一杯か。
体力的にきつくなり出番が減っていく。
そうなったら海外の大学に入学する。
舞台芸術を学んで生川の芸術監督になる。

銀也や今井先生のような位置だ。
銀也は海外での活躍があったからこそ
綾子から熱烈なオファーを受けたのだ。
ロイヤルでプリンシパル。
自分の力を世界に認めさせていた。

だから同じように海咲は、
世界に自分の力を認めさせなければならない。
生川のプリンシパルとして
生川の世界征服の立役者となるのだ。

そのために今のうちに力をつけておく。
生川の中でおのれの力を認めさせる。
すでに海咲には実績と信頼がある。

綾子は、団員達をよく観察している。
気まぐれで何をするか分からない潤平よりも
安定の海咲。
生川をひたすら熱望し、
献身的に努力し続ける海咲を取りたいだろう。

経営者として自然な判断である。

そしてこういう決意は踊りに現れるのだ。
いま「孤高の天才」響をとりこんで
『眠り』のオーディションに挑む。
海咲は最有力候補だ。

スマホでも読める:ダンス・ダンス・ダンスール13巻

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