社交ダンス

【ボールルームへようこそ ネタバレ】6巻26話

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リーダーそのものの実力

たたらはノービス戦にぶじ勝ち抜いた。
12組中2位。
ぎりぎりの勝負だった。
リードとフォローの組み合わせが
まったく機能しない状況で
受け身に徹することでその場をしのいだ。

辛勝である。
とにかく自分の力が足りない。
次の戦いに向けてどうにかしないと・・・。
千夏とのカップル練をひとまずやめ
たたらは個人練に集中することを宣言した。

向かう場所は兵藤ダンスアカデミーだ。
清春の母、マリサが教える教室。
やはり気になっていたことを指摘された。
まず重要なのは男性役の実力である。
だから男が女を従えるのが普通なのだ。

釘宮と井戸川の関係

フロアではちょうど釘宮たちが踊っている。
先日のノービス戦での優勝カップルだ。
たたら達より上。

釘宮は実力者だ。
パートナーの力不足を
男のリードで補っている。
見るからに性格が悪そうな奴だ。

「おい違ぇだろ、今のはよ」
「ちゃんとリードに従え、下手くそ」
「馬鹿野郎」

常にひとこと多い。
レッスン中はブチブチとパートナーをののしる。

フロアで見る相方の女性は
ノービス戦の時と違って
なんだかブスに見えてくる。
男の側が、すっかり上から目線で
パートナー関係が成り立っている。

釘宮とたたらのワルツ

マリサ先生からの指示で
たたらは釘宮と踊ることになる。

たたらが男役、釘宮が女役でワルツがはじまった。
予想通り罵詈雑言の嵐。

「おい、富士田クン」
「何を窺ってるんだい」
「男役だったらまともなリードをしろ」
「踊りにくい」
「フォローの真似事なんかするな」

釘宮はストレートな物言いをする。
徹底して遠慮がない。
そういう奴なのだ。

「クズだなぁ」

釘宮は男役となってふたたび踊りはじめる。
今度は釘宮がリーダー、たたらがフォロワー(女役)だ。

釘宮のリード

釘宮のリードは強い。
強引だ。
たたらとは雰囲気がぜんぜん違う。
手を握り肩甲骨をささえて
たたらの動きを支配する。

乱暴に扱われたら、バランスが崩れて転倒する
と思いきや思うがままに動かされている。
釘宮のリードに、たたらは逆らえない。

「パートナーをいいなりに振り回すリーダーが」
「いい選手だって言うのか?」

たたらは釘宮に嫌悪を感じる。
自分とは相容れない価値観だ。
もともとの感覚に反する踊りを
たたらは強引にやらされている。

「この人の踊りにはあこがれない」

踊りたくないのにたたらは反応してしまう。
予想外に身体がよく動く。
というより釘宮のリードで動かされている。
自分の体ではないように背中がしなる。

マリサ先生からの指導

「いい踊りができて驚いたでしょう」
「パートナーの実力さえもリード一つでどうにでもなると思わない?」

マリサのアドバイスはシンプルである。
まず男が上手くなければどうにもならない。
社交ダンスはそういうものである。

審査員が見るのは男のみ。
男性側が選手だ。
女性は「相手」。

男性の力で予選を勝ち抜き決勝のレベルまであがらないと女性側は評価されない。
カップル全体の協調などその先の話だ。
自分の相方を名選手にするかどうかは男性の実力次第。

だから「もう女の子の後ろに隠れてちゃ駄目よ」「たたらくん自身の踊りを見せて頂戴」
マリサ先生は、たたらの根本的な問題を指摘する。
女性についていくのではなくお前が主体的に踊れ。

千夏への宣言

たたらのダンスの欠点は、ダンスだけでなくの性格上の短所でもある。
主体的に生きろ。
他人の動きに反応するだけで終わるな。
夜道を歩きながら、たたらはマリサの指導を自分なりに咀嚼する。
自分に必要なのは戦う覚悟だ。

千夏と自分、ふたり分の責任を負って戦おう。
教室に戻ったたたらは千夏へ宣言した。
「騙されたと思ってついてきて」
「負けたら全部僕のせいにしていいから」
全責任は自分が負う。
そういうリーダー宣言である。

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