『ダンスール』の最新話が待ち遠しい。
近頃、なかなか続きが出てこないのだ。
毎週月曜日、スピリッツの発売のたびに
コンビニに行っては目次を探す。
「今週も『ダンスール』のってなかった」とがっかりする。
もう相当はまっている。
こんな気持ちは子どもとき以来だ。
コンテンポラリー編は描くのが大変なんじゃなかろうか?
クラシックは描きやすかった?
『眠り』の対決はめっちゃ面白かった。
『眠り』はバレエの古典中の古典。
クラシックの真髄のような作品だ。
「こう踊るべき」という基準がハッキリしている。
バレエの理想に対して
おのれを高めて近づいていく。
自分の資質を知り、鍛え上げていく。
潤平なりの「王子」を作るための戦い。
海咲の戦いも対比的に描かれていた。
ライバル海咲は繊細でひたむき。
ただの腹黒王子ではない。
自分のいたらなさを冷静に見つめ
どうしたら効果的に見せられるか
日々かんがえ抜いて鍛錬を重ねている。
そんな海咲が圧倒的な天才「響」にであい
よりいっそう絶望しながら
必死で本物についていこうとする。
無邪気で天然な潤平とは
まったく違ったやり方で
悩みもだえる姿が印象的だった。
バレエのルールなんて
めんどくさくてつまらない。
そう思っていたのに
予想外の面白さで読んでしまった。
コンテンポラリーはどう進む?
コンテンポラリーではライバルがいない。
潤平は生川の中でダントツに抜き出ていて
オーディションでトップを争うということがない。
潤平は今井先生とのぶつかり合いをとおして
厳しく己を問われたりするのだろうか?
今のところ今井先生とは
うまくいっているように見える。
振り付けにあたり、追い詰められていく
という線はうすいか?
山岸凉子『テレプシコーラ』では、
主人公の六花は自分のオリジナル振り付けで
ローザンヌコンクールに入賞した。
六花の場合は姉の影響が大きい。
足の故障で踊ることができなくなり
自殺した姉がいるのだ。
六花の振り付けには常に
お姉ちゃんのイメージがつきまとう。
『ダンスール』でも同じことができないだろうか。
潤平は陽性なタイプだが、いままで
それなりにドラマチックなエピソードもあった。
ヌッくんいじめから兵ちゃんが刺されるくだりとか
黒島とのういういしい恋とか。
都をはさんで、るおうとの三角関係とか。
個人的にはヌッくんとか兵ちゃんに再登場してほしい。
そんなものをおりこんだら
きれいな作品にはならないだろうけど
そこは今井先生のアレンジで
衝撃的な気持ち悪い作品ができるのではないか?
エゴと悪意に満ちた現代的な作品だ。
クラシックで「理想の王子」を追い求めたように
コンテンポラリーで新たな境地を開くのだ。
8月9日発売
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