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#厳男子#ムラサキ#ネタバレ#3巻#23話#24話#友だちとできたのは

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山の上で3人は放心する

日が暮れてしまった。
すっかり暗くなった
岩の上で3人は横になって放心している。
ムラサキと翔之介にソラが加わった。
遠くに街の明かりが見える。

「いつもこんなになるまで練習してるの?」
ソラの問にムラサキが満足げにこたえる。
「正直、今日はかなりしんどいかな」
「でも・・・面白くて」
心の底から充実して嬉しそうだ。

子供のようにわれをわすれて身体をつかう。
「禁止とか、危険だとか、怪我がどうこう」をわきにおいて
思うぞんぶん動き回ることができた。

友だちと一緒にできたことが大きい。
今まではひとりだった。
ムラサキも翔之介も。
そのうえソラまでくわわった。
踊り終えて3人で星をながめている。
充足。
これ以上のことはない。

どうしても文化祭で踊らなければならない

ソラが立ち上がって入部を宣言した。
3人目のダンス部員だ。
ソラには目的がある。
ただ踊るだけではない。

ムラサキと翔之介に足りないものがなにか
ソラは理解している。
それは踊るだけで満足してしまっていることだ。
自分たちのダンスの価値を確信していて疑いもしない。

他人になんと思われようと気にもしない。
理解してくれる人がひとりいればそれで十分。
だいたい一般人なんてものは
「ふつう」にとらわれていて感性が死んでいる。

「誰に観てもらえなくても」
「誰に理解されなくても」
「わたしたちだけの舞台ができればそれでいい」

それを止めたいのがソラだ。
ムラサキと翔之介は社会と切り離されてはいけない。
そのためにソラはダンス部に参加する。
ふたりのダンスを世の中につなげる。

踊るだけでは足りない。
自分たちのダンスで社会を変えてしまう。
自分たちだけ開放されてもつまらないではないか。
だからダンス部は文化祭に出なければならない。

生徒会のほうがこばむとしても
強烈な異物としてコンテンポラリーダンスが侵入しなければならない。
ソラが宣言する。

「今までみたいに向こう側で好き勝手やってるだけじゃ済ませない」
「ちゃんと人の里に降りてもらう」

真っ白な夜空をバックに、ソラが外界を指差す。
その先には3人で先程ながめた夜景が広がっているはずだ。
闇の中に浮かび上がる人家の灯り。
ダンスで世界に触れる。
「世界」の一部には人間社会もふくまれるのだ。
ソラの役割はふたりの天才を世の中に接続することだ。

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