コンテンポラリー スピリッツ ネタバレ バレエ

【#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ】#16巻#147話

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ブランコには教われない

オルガ先生は潤平たちに説明する。
ブランコはバレエを教えることができない。
「嫉妬心が強すぎて、才能あるコほど潰してしまうの」
以前にやってみたが無理だった。

自分が踊れなくなってしまったのに、他人が踊るのを観るのは辛い。
そういうことだろうか。
若手を見るブランコの顔が真っ黒だ。
生徒を全力で否定してしまう。
指導するどころではない。

それでいてブランコはバレエを離れることができない。
酒をのんで苦痛をまぎらわせる。
「現実を受け入れられずに、酒に逃げて日々をやりすごす哀しい男」
むかしの自分そっくりに踊るサシュコーなど見たくもないのに
どうしようもなく舞台を見に行ってしまう。

サシュコーと理解し合う潤平

どうやらサシュコーも潤平も
ブランコに師事することはできないらしい。
残念なものどうし、ふたりは理解しあう。
「きみのコンテのエネルギーは・・・どこか現役のブランコを想ったよ・・・」
潤平はブランコに似ていると、サシュコーは感じるらしい。

潤平はめっちゃうれしい。
(こいつ・・・いい奴じゃん・・・!!!)
潤平は素直だ。
いっきにサシュコーを認めてしまった。

潤平からもサシュコーをほめる。
「お前もスッゲーな!!あのブランコのバジルの完コピ!!!」
サシュコーは自分のブランコ体験を潤平に語ってくれる。
潤平はブランコのオリジナルコンテを観たが、
サシュコーが観たのはクラッシック。
ドンキのバジルだ。

サシュコーのブランコ体験

サシュコーは潤平に語り始める。
「僕は・・・あの時のブランコになりたいんだ」
「あの時のブランコは神だった」
内戦のユーゴへブランコが公演に来たのだ。

ブランコはバジルを踊った。
「すさまじいエネルギーで、その熱で、
彼は僕達の、この土地の暗い影を焼きつくしにかかった」
サシュコーはブランコのバレエに救われた。

紛争の中で、感覚が麻痺した記憶のなかで
サシュコーはブランコのバレエだけを鮮明に覚えている。
潤平は感動する。
「ぜってーブランコに師事するべきだ」

ところがブランコはサシュコーを観てくれなかった。
かわりにYAGPを受けてジョン・クランコに留学するよう誘導された。
サシュコーにとって一番いい道だったのかもしれない。
それでも納得いかない。
「そっくり彼になりかわり伝えていきたい」

潤平の違和感

サシュコーも素直だ。
「同じ思いのライバルがいて僕はうれしい!」
「グラン・プリめざして頑張ろう!!」
と潤平の手をにぎる。

だが潤平には違和感がある。
「ブランコはブランコでよくね?」
「サシュコーはサシュコーでいいじゃん!」
ストレートに言ってしまった。
「俺は"この先のサシュコー”の踊りが観たい!」

サシュコー潤平の手を振り払う。
取り残される潤平。
すたすたと行ってしまった。
「彼の願い全否定ですからね・・・」
大原田さんが冷静に解説する。

まあ、仕方ない。

潤平とサシュコーのちがい

潤平は今のブランコもかっこいいと思っている。
アメリカン・ニューシネマのロックスターみたいだ。
おちぶれていながら、ときどき鋭い表情を見せる。

サシュコーにはない潤平の感性だろう。
父親から受け継いだ映画体験が潤平を形作っている。
ハッピーエンドで終わらないたくさんの映画。
主人公たちは悲惨な結末を迎える。
それでいてどうしようもなくかっこいい。

ブランコがそんな映画の主人公に思えるのだ。
潤平は今のブランコをそのまま受け入れることができる。
バレエだけをやっていた人間にはない感覚といえるだろう。
サシュコーにとっては現役時代のブランコこそが最高にかっこいい。
ふたりのちがいはそのあたりだ。

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ダンスダンスダンスール17巻発売日は6月11日

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