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#厳男子#ムラサキ#ネタバレ#3巻#36話#

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ヨガ呼吸法の効果

ムラサキの解説を聴いて
黒飛(くろとび)は呼吸をはじめる。
ゆっくりと、長く。
自分の鼓動が耳を打つ。
「身体のリズムが変わってくるのがわかる」
ミュージシャンらしい感想だ。

ゆっくり目を開けた黒飛は驚愕する。
目の前に翔之助が立っている。
仏像のように手を開いて目をふせている。
異様すぎる。

翔之助の集中状態

黒飛は翔之助の存在感に圧倒される。
ズームアップで翔之助の顔が目に入る。
口元から息をはくのがわかる。
「こいつ、人か?」
「どっか別の星の岩みたいな」

翔之助は呼吸に没入している。
人間ではなくただのモノのように無心。
息をひたすら吐き続ける。
「一呼吸が長すぎるだろ!!」
「何分息吐いてるんだよ」

翔之助に引き込まれる

翔之助をみているうちに
黒飛は異様な感覚におそわれる。

心音がはっきりきこえる。
足の下の草が感じられる。
草の上を歩くゾウムシがはっきり見える。
米粒ほどの虫の手足がリアルに感じられる。
虫が草の葉をつかむ音、
甲虫の関節がきしる音がきこえる。

目の前を蝶が飛んでいく。
翅の残像がいくつも目の中に残る。
蝶の複眼と視線がばっちり合う。
「こんなにゆっくり飛ぶはずがない」
黒飛は信じられない。
「体感時間が引き伸ばされている」

呼吸を意識しただけ、
薬物を使用したわけでもないのに
感覚が鋭敏になっている。
「翡翠翔之助、おまえは特異点だ」

翔之助はブラックホール

黒飛は怖くなった。
翔之助がブラックホールのようにふくらんで
すべてのものを飲み込んでゆくのが感じられる。

ムラサキが黒飛の肩に手を置いて引き戻す。
感覚が研ぎ澄まされ、翔之助の異次元状態を理解できる今
ようやく解説できる内容がある。

ダンスやヨガは禁忌に近いことなのかもしれない。
ほんらいコントロールできない、
コントロールすべきでない自然に
あえて手をふれるようなチャレンジではないか?

一番身近な自然は人間の身体。
無意識に活動する神聖なものを思いのままに操作するなどとは。
翔之助のような異常さがないと不可能かもしれない。

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