けっきょく潤平たちの舞台は大受けだった。
観客の歓声があがり、アンコールが連呼される。
潤平たちはステージに呼び戻され、カーテンコール。
区民祭りの出し物とは思えない盛り上がりを見せた。
最高の瞬間だ。
こういう気持ちよさはやみつきになる。
MVPを獲るんじゃないかと期待も高まる
生川綾子、登場
新キャラの登場である。
特別審査員でバレエ団の偉いひとらしい。
潤平たちは酷評された。
即興的な見せ物で、バレエではない、と。
「いちばんウケてたじゃん!!」
思わず叫ぶ潤平に、綾子は断言する。
あなたはバレエに向いていない。
しかし潤平はすごい奴だ。
ホールの観客の目前で審査員長とやり合える。
何も考えない素でできるのは、才能だわ。
るおうの本当の踊り?
控え室で、るおうはキレる。
潤平のせいでMVPを逃した。
勝手なアドリブしやがって。
お前のやったことに巻き込まれて一緒に評価されてしまった。
生川綾子のいうことは正しい。
海外コンクールに出場できなくなり、落胆するるおうに千鶴が指摘する。
振り付けを変えなければ、るおうの本当の踊りがみられなかった。と。
保護者の抗議
控え室に保護者たちも乗り込んでくる。
酷評を聞いて抗議に来たのだ。
・生川バレエ団とはコネがないのか?
・振り付けが子どもの出番が減らされた!
・潤平の特別扱いが気になる。
・女の子のレッスンに中学生男子を入れないでほしい。
ママさんたちの気持ちは収まらない。
もしこのままなら、自分たちの娘を退会させるという。
もともと生徒の少なさに悩んでいる五代バレエスタジオ。
一斉退会は経営の危機である。