バレエ漫画 フィールヤング ネタバレ

【バレエ・リュス ー ニジンスキーとディアギレフ ネタバレ】第2話

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ディアギレフは同性愛者だった。

そして、
美味しいものが大好き。
きれいなものが大好き。
おしゃべりが大好き。

パリでご婦人方の間を歩き回り
美味しいレストランの噂をするみたいに
ロシア芸術を紹介してまわるのは
ディアギレフの天職だった。

まるでパーティーを準備するかのように
企画を考え、人を集め、会場をおさえておく。
知り合いみんなに声をかけて集める。

オペラの次に、ディアギレフが
ロシアから持ってきたのは、バレエだ。

バレエは高尚な総合芸術なのだ。
音楽と美術、衣装と振り付けが
一体となった最高の芸術。

パリでバレエは失われてしまった
もはやバレエは、下心をもって
アイドルを眺めるための出しものにすぎない。
しかしロシアでは違う。
奇跡のように本物のバレエが残っている。

チャイコフスキーを筆頭とする古典バレエと
体系的な訓練メソッドがロシアにはある。
ダンサーは娼婦ではない。
修行を重ねたアーティストだ。
その証拠にロシアから連れてきた
最高の男性ダンサーをぜひお目にかけたい。

ワーツラフ・ニジンスキー
彼しかいないだろう幼さの残る上半身にくらべて
異様なまでに発達した下半身まるでケンタウロス

ディアギレフは天才を手に入れたのだ。
ニジンスキー本人が望んだ。
もっと踊りたい
パリに出たい。
そのためだったら何でもする。

ロシアにとどまり貴族の愛人でいるより
ディアギレフの愛人となることを選ぶ。
ハードな選択だ。

ひざまずいておっさんの手をとり
キスして哀願することなど屁でもない。

美形で
才能があり
努力家で
覚悟を決めている。
「最大級のダイヤモンド」だ。

ディアギレフには彼の価値がよく分かる。
ロシアに残されたバレエの伝統。
それを一身に集めた奇跡のような存在。

たくましいのに、なまめかしい不思議な才能。
ニジンスキーがパリの社交界にどれだけの感動を与えるか
ディアギレフには手に取るように予想できる。

ニジンスキーは内向的だ。
踊りのことにひたすら集中し
営業ができないタイプ。
繊細でもある。

ディアギレフは外向的。
コミュニケーションに長け
人々の中にどんどん入っていける。

ふたりは補い合ってパリ公演を成功させた。
その成功はもはや『歴史』だ。
ニジンスキーの踊りにみな夢中になった。

実のところディアギレフは
パリの社交界でご婦人形の下心を射貫いたのだ。
美しい男を眺めて楽しみたい。
そんな隠された欲望に形をあたえた。

ディアギレフは同性愛者だったからこそ成功できた。

桜沢先生が描くディアギレフはかわいい。
女友達とキャーキャー盛り上がっておしゃべりしている。
ゲイバーのマスターみたいな親しみやすさがある。

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