王子の条件
お前の王子のイメージは何だ?
と問われた潤平は答える。
「少女マンガに出てくるような女子の理想のなんか」
王子に必要なのは・・・、
顔面
中性的な雰囲気
キザ
女子を平気な顔して褒める
女の人の下僕
自分には王子ができるとは思えない。
「そもそもお前、王子というものを
かっこ悪いものとして小馬鹿にしてるだろ」
中村先生の指摘は的確だ。
銀也の王子
潤平たちは銀也のレッスンを見学する。
王子役のヒントをつかむためだ。
銀也はスターダンサーである。
もちろん王子役だってやる。
潤平の質問を受けて踊りを見せてくれた。
下僕感0!
キザさも貫かれていて、
むしろ粋でカッコイイ
銀也の答えは「俺って超王子!!!って思って踊る」だ。
言葉だけだと、わけが分からない。
だけど動きを見て潤平は理解する。
具体的には・・・、
細部まで丁寧かつ端正な動き
余裕の醸し出し方の違い
同じ技でも、内面も技術の使い方も
演じるものをはっきりと持つことだ。
潤平なりの王子
銀也の王子は特別だ。
いわば、銀也の、銀也による、銀也のための王子。
潤平は潤平で、自分のための王子像を作る必要がある。
潤平にも王子らしさはある。
身体のラインが美しいため、
動きが荒くても、下品にならない。
あとは内面だ。
王子的な感情をどう引っ張り出すか?
貧乏とお姫様
中村先生は、響を参考にしろという。
響は貧乏だ。
スタイルは美しいが、ふだんは姫とはかけ離れた雰囲気だ。
姫とは無縁である。
潤平と同じ。
それなのに踊りは「オーロラ姫」にあふれている。
内面に作り育ててきた「姫」が生きている。
どうしようもなく現実に縛られた生活をしながら
頭の中に夢の世界を作り上げているのだ。