大事なのは思い切ってやってみること。
「胸をはって『好きだ』といえるものが・・・あったら僕は変われる」
(竹内友『ボールルームへようこそ』(1))
ダンスは、習う前のためらいが大きい。
踊れないのにダンス教室へいっていいのかと気後れする。
冷たい扱いを受けるんじゃないかと不安だ。
初心者が来たら迷惑じゃないかとか、
下心があってキモいやつ扱いされるんじゃないかとか。
自分の知り合いにも、ダンスを習うことはいいづらい。
だから、ふつうの少年がダンスをはじめるのは並大抵のことではない。
主人公の富士田多々良(ふじたたたら)は気弱な中学生だ。
勉強ができるわけでもなく、スポーツが得意でもない。
好きなことは特になく、クラスでも目立たない。
不良な同級生にカツアゲされている。
そこにプロダンサーの仙石要(せんごくかなめ)があらわれて
多々良をダンス教室へ拉致する。
多々良がダンスを習いたがっていると勘違いしたのだ。
きっかけはなんでもいい。
やってみれば、新しい世界が広がっていた。
多々良は仙石から体の姿勢を教えられる。
「立ち方ひとつで人の見る目は変わる・・・!」
あらたな体験だ。
かわいい同級生のしずくと組んで踊ることになる。
思春期の男子は、どきどきだ。
そしてしずくから冷たい言葉を浴びせられる。
「冷やかし?それともスケベ?」
的をついた指摘だ。
女子はこわい。
レッスンはお金もかかるし。
それでも進むやつだけが変われる。
多々良はがむしゃらにがんばれるのか?