「一緒にバレエやろうよ」と同級生が誘うのだ。
その同級生は、転校生で美少女だ。
右目の下にあるホクロがチャームポイント。
前から気になっていた。
その娘が弾くピアノを思い出して、名前をつぶやいていた。
「ご だ い み や こ」と。
わざわざ潤平の家にまでその娘が来たのだ。
自宅の前で待ち伏せしていた。
そしてバレエのジャンプをみせた。
潤平にはパンツも見えた。
中二まっさかりの男子に運命が訪れたのだ。
男子がバレエをやるのはかっこ悪い
実は幼いころ潤平はバレエを習っていた。
でも父親の死をきっかけにバレエをやめた。
男らしくかっこよくありたいから。
死んだ父親が男らしい潤平を望んでいたから。
父は、映画のアクション監督だった。
だから潤平はジークンドーを習っている。
亡き父の友だちが教えてくれる。
好きだった父親に近づくための方法だ。
学校では友だちにジークンドーを披露する。
もともとバレエは大好きだったのだ。
潤平には押さえ込んでいる気持ちがある。
ちいさなのころ、すごいダンサーを見た。
バレエのソロを踊る男性だ。
すごかった。
おさない潤平はそれを見て
自分からバレエ教室にならい出した。
転校生の伍代都(ごだいみやこ)をきっかけに
押さえ込んでいたものがあふれ出そうとしている。
中学生男子のかかえる、かっこよくありたい気持ちと
可愛い女子への興味がせめぎあって
潤平をバレエの世界へとひっぱっていく。
バレエに本格的に打ち込むようになるまで
潤平がどんな葛藤を味わうかがみどころだ。