サマースクール3日目
千鶴は気がかりである。
潤平が2日間に来ていない。
生徒たちの退会をきいてから
そのままスタジオを飛び出してしまった。
ほかの生徒全員よりも潤平ひとりを
千鶴はえらんでいるのに行方知れずである。
新しい世界がみえる。
千鶴の心配をよそに、潤平はサマースクールにいる。
サマースクール3日目だ。
上達している。
格闘技道場のノリで礼儀正しく指導を受け
教師から格段の進歩を認められた。
レッスン後はサロンで本を眺める。
生川バレエスクールは環境が充実している。
クラスメートの寿が親切に解説してくれる。
潤平は気づいてしまった。
生川で勉強できれば幸運だ。
奨学金付きで舞台出演のチャンスもある。
同年代のエリートと切磋琢磨できる。
生川と千鶴の確執
図書室に大和と海咲が入ってくる。
ふたりともサマークラスの最優秀候補だ。
大和は潤平の決断をほめる。
生川バレエスクールと五代ダンススタジオは確執がある、
だから将来を考えて生川に来たのは英断だ、と。
潤平は怒る。
鞍替えはあり得ない。
生川に来たのは、綾子に認められ
五代バレエスタジオの生徒を取り戻すため
千鶴は潤平を見つけてくれた人だから。
義理堅いやつである。
ピルエット勝負
大和も怒る。
サマースクールに将来を賭けているからだ。
もう中3で、高校進学の代わりにバレエを選んだ。
生川バレエスクールは数少ないチャンスだから
どうしても獲りたい。
それを潤平の個人的な感情で邪魔されたくない。
海咲が追い込んでくる。
ひとつ勝負しぃひんか?
負けたら2度とここにくるな。
潤平はどうする?
海咲は圧倒的にうまい。
流れにはめられたか?