僕がっ、一番だっ
潤平は勝負に負けた。
君らの負けや、もう来んといてくれる?
と関西人2人組から宣言される。
答えられない潤平をよそに
るおうがとつぜん宣言する。
・・・・・・僕はここから動かないで回る。
・・・・・・僕がっ、一番だっ・・・
関西2人組はるおうを下に見ている。
るおうはムラがありすぎる。
潤平の方が上手い。
そして自分たちは潤平よりも上手い。
勝負はこれで終わりだ。以上。
しかし潤平はるおうを信じている。
都が潤平を信頼したように。
ためらうことなく寿からスマホを取り上げ音楽を鳴らす。
さぁ、踊れ。
るおうの驚異的なピルエット
るおうは殺気立っている。
通常からはるかに超えた本気をみせる。
いきなり4回転。
2回転をはさんで、また4回転。
姿勢が安定している。
その場でしゃがみながら回転を続け、
そこからジャンプして回る。
着地も美しい。
驚異的な技術。
「プロかよ」
「スゲエッ・・・・・・」
「ヤバすぎー・・・」
レッスン室は騒然とする。
満場の歓声があがる。
もう勝負とかどうでもいい。
大和は興奮して夢中だ。
「お前っ・・・・・・すごいやんっ・・・!」
「なんであんなんできんねんっっ」
「もっかいやって!!」
るおうがあまりに素晴らしくて
勝負のことなど吹き飛んでいる。
自主退学の危機を回避できた。
やれやれ。
るおうは初めから潤平をライバル視して戦っていた。
大和にも海咲にも興味ないし
サマースクールなどどうでもいい。
潤平が軸をずらさず回転したのを見て
自分も同一箇所でどれだけ回れるかを見せつけた。
「出来にムラがありすぎる」というより
潤平が横にいないとやる気を出さないだけだった。