友情のラーメン
るおうのものすごいピルエットで
潤平たちは打ちとけてしまった。
みんな仲良くラーメンを食べに行った。
バレエ男子たちだってこってりを食べたいのだ。
大和先輩からるおうへのおごりだ。
ピルエットが一番うまかったから。
るおうは、山盛りの丼に驚愕している。
なんだか爽やかな青春。
海咲のプロフィール
ラーメン食べながらあきらかになる海咲の事情。
サマースクールで奨学金を取れなければ
バレエを辞める。
金がないから。
高校受験をひかえているため
この夏が最後のチャンスだ。
コンクールで軒並み1位を取ってきたが
生川に入るため出場をひかえている。
プロを目指すならそうしろと綾子に言われたからだ。
そのために必要なことは何でもする。
ラーメンも食べない。
かわりにスマホでライバル調査だ。
るおうのプロフィールを調べ
のちのち心理的な攻撃をしてくる。
おそろしい京都人である。
バレエ男子の夜遊び
ラーメン屋を出て夜の公園へ向かう。
男子5人でバレエごっこだ。
成長期の若さがまぶしい。
将来の夢を語り合ったりするのだ。
るおうは、きっぱりと断言する。
マリインスキーかボリショイの
ダンスールノーブルになる。
潤平とおなじ目標だ。
るおうは真剣である。
「僕はそこに行くためだけに育てられてきた」
「バレエ向きじゃない身体を、才能がないのを
『おばあ様』が、なんとかここまで作り上げてくれた」
僕は潤平とはちがう。
10年以上かけてやっとここまで来た。
ぜったいに成し遂げる。
譲れない想いである。
普段のるおうから想像もつかない
はっきりとした決意表明がでた。
・・・かわって五代家の食卓
同じころ、都と千鶴は低カロリーの夕食をとっている。
潤平たちが生川にとびこんだことを聞き
千鶴の表情がくもる。
潤平たちは生川綾子のたくらみにのせられたのか?