三角関係・・・潤平と都とるおう
潤平と都はバスを飛び出した。
ふたりはどうしていいか分からない。
都はるおうを好きし、
潤平もるおうが好きだ。
るおうをなんとかしてやりたいと
ここまでバスでやってきたのだ。
変な三角関係である。
潤平と都はこれからデートに行くはずだったのだが・・・
るおうのために別れるしかないのか?
好きな女の子を泣かせてしまった。
潤平はパニックだ。必死に都をなぐさめる。
・・・きっとなんとかなるよ。
砂浜でふたりは途方に暮れる。
るおうは踊る
進んでゆくと「白鳥の湖」の音楽が聞こえる。
るおうが海辺で踊っているのだ。
おばあ様の前で、母親が得意だった
黒鳥のヴァリエーションを踊っている。
祖母を喜ばせるためだ。
おばあ様はるおうを見ていない。
るおうは目の前にいるのに、母親の真鶴をほめる。
るおうはずっとほめられたかった。
たとえ自分だと気づいてもらえなくても
祖母に見てもらいたかった。
一生懸命練習してきたのだ。
たとえ自分でなくてもほめられるのはうれしい。
これが、るおうの閉じ込められていた呪いだ。
精神的な呪縛。
ロットバルトをやれよ
潤平は、るおうを放っておけない。
こんなのはダメだ。
生川バレエスクールに行って
ヴァリエーション発表会にでる。
スペシャル・スチューデントになって
踊り手としてのキャリアを進める。
るおうを外の世界に出したい。
るおうがるおうとして認められる場所へ。
とまどいの表情。
るおうは迷いを振り切るように踊りに戻る。
踊ることが、るおうのコミュニケーションだ。
それなら踊りで環境を変えるしかない。
「どうせ踊るならロットバルト演れよ」
自分の踊りを徹底することで、
祖母の呪縛を変えるのだ。
砂浜でふたたび洋舞祭り
都が音楽をかける。
王子が白鳥に許しを請うシーンだ。
るおうの前で潤平を抱きしめて
「ごめんね、ありがとうね・・・」
「潤平の、言う通りだね」
別れの言葉だ。
都は潤平を離れてるおうを助けなければならない。
るおうが都を抱えて、潤平から連れ去る。
バレエと現実がリンクする。
遠ざかっていく都。
それはちょうど悪魔に連れ去られるお姫様だ。