進路相談
前回はプロの舞台に初参加し大感激だった。
いっぽうで潤平は中３である。
高校受験がある。
これからどんな人生を生きるか
選択すべき時期だ。
学校では三者面談が開かれる。
潤平や都、るおうの現状は以下の通り。
・潤平：バレエに夢中で進学する気なし。
母は進学させる気でいる、いちおう。
・都：日本にいる間は進学（勉強)する。成績優秀だし。
将来が海外のバレエ団に入る。と千鶴が決めている。
・るおう：高校に進学せず、バレエをやる。
本人は勉強できないし興味もない。学歴は必要ないし。
千鶴は、都の進路についてきっぱりと説明した。
学校の先生よりずっと先生らしくて笑える。
都は、優等生なのに屈折している。
るおうほどの実力がないことが気がかりで
ダンサーとしての将来に不安を持っていのだ。
るおうが頼りきりなのを、
逆に都が頼りにしている。
変な関係だ。
成績もいいし、可愛いんだし、若いんだし
普通に前向きに頑張ればいいのにな。
ぜいたくな悩みだ。
替わってやりたいわ。
千鶴の応援
三者面談のあと、潤平の母は
たまたま千鶴に出会った。
千鶴は陰ながら潤平を応援している。
「あのコは大丈夫ですよ」
「心身ともに強くてしなやかで」
「私が出会ったなかで
最も美しい生徒でしたから！」
見守るってこういうことだ。
本当にありがたい。
潤平は千鶴の言葉に胸がいっぱいになる。
たいしたやつである。
まだ中学生なのに、
人の気持ちを受け止めることができる。
ロシア行き
空港で潤平は浮かれている。
ロシア公演に参加できることになったのだ。
欠員が出たから！
上機嫌で夏姫に絡み、突っ込まれた。
「観光気分でちゃらちゃらしてんじゃないわよ！」
「時差ぼけとかもあるし」
「空いた時間は各自で体調を整えるべきでしょ！」
そのとおりなんだけど
浮かれてしまうわ。
潤平の上機嫌はいきなり
電話で中断される。
・・・兵ちゃんが刺されたという。
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