黒島の襲撃
黒島がわざわざ潤平に会いに来た。
「潤平ハッピーバースデー☆」
誕生日を覚えていた。
アイスケーキを持ってきてくれたのだ。
暑い中もってきたから溶け始めている。
これはちょっとどうなのか?
バレエダンサー相手にアイスの塊?
潤平はためらわない。
ケーキに顔を突っ込んで食べる。
「うまいよ」
「ありがと!」
男だ。
みんなでケーキを食べる。
潤平は浮足立つ。
黒島はなんで来たんだ?
東京から長野まで、
俺の誕生日ケーキもって、
彼氏と別れて、
タンクトップで?
(俺のこと好きなんじゃねーの?)
天が潤平にアドバイスする。
「多分別れたってウソだよ」
「彼氏『ガチのこわい人』だったらやめときなよー」
夏祭り
戸惑う潤平に、容赦なく襲いかかるイベント。
夏祭りだ。
夏休み、夏祭り、浴衣の女子。
強敵である。
「この借りたゲタ合ってなかったかも」
黒島は潤平の腕をつかみ、
胸を押し付ける。
強敵である。
夏姫が見ている。
「ケーキ」!ありがとな!」
「それはまぁ…惚れた弱みってやつだよねー」
攻撃が続く。
「嫌だ?」
「付き合っちゃう?」
潤平はとても対処できない。
男子はこういうのに弱い。
本当は彼氏とも
別れてないんじゃないの?
夏姫が天の腕をつかんでいるのを見て
潤平はショックを受ける。
逃げるように走り出した。
夕立
夕立が激しく降る。
逃げ出した潤平を黒島が追う。
潤平は黒島に誘われて、
目の前で天と仲良くされて
どうしていいかわからない。
どういうことじゃ?
イライラする。
「待ってよ、どうしたのー!?」
「なに怒ってんのー!?」
こういう女子はどこまで無意識なのか?
本当は全部計算してるんじゃないかと謎だ。
追いかけてきた黒島に
トラックが泥水を浴びせる。
潤平は素に戻った。
黒島はドロドロだ。
計算もくそもない。
雨の中でふたりはキスをした。