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【#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ】#16巻#145話

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潤平のトラブル対処

本番でシューズが脱げた。
左足のかかとがブラブラである。
この状態で踊り続けるのは無理。
あぶない。

客席がざわめく。
さり気なく対処なんて不可能に思える。
寿があおざめる。
潤平はブラブラのままピルエットにはいった。
バンダ中村先生も顔面蒼白。
見ている方がはらはらする。

潤平は左足を上げる。
同時に左手でつま先をつかんでシューズを外す。
左手でシューズを高くかかげた。
そのまま回転し、放り投げる。
シューズは放物線をえがいて上手舞台袖へ飛んでいく。

あ然とする審査員

シューズは舞台袖へきれいに収まる。
コントか?
洒落た演出か?
破綻の危機から救われて安心する観客。
満面の笑みで正面を向く潤平。
かえって観るものの心をさらってしまった。

審査員までおもわず吹き出す。
明るい空気が流れる。
よくぞ危機を回避した。
もう続けられなくて、とんでもない雰囲気に落ち込むかと思った。
ところが潤平は意外な方法で会場を救ってしまった。
機転ききすぎである。

観衆は盛り上がる。
すっかり潤平の味方になった。
拍手と歓声で応援する。
潤平のもつ明るさがおもてにでた。
ごく自然に会場は楽しい雰囲気に包まれる。

コンテとは正反対の空気

客席のオルガ先生も潤平に引き込まれる。
「ハラショー」
つぶやいてかたわらのブランコをみる。
ブランコも安らいだ表情。
指で音楽をカウントする。
歌いながらステージに見入っている。

舞台は楽しい。
ステージを観ることで心が救われることがある。
潤平のパフォーマンスはブランコを楽しませたのではないか。

コンテでは、人の心の醜い面を見せつけたのに。
他人の表情をうかがい、自分をあざむく生き方。
「うまくやっていく」ためにへらへらする。
その結果として潤平はとんでもない能力を習得した。

周囲を楽しませる力。
周りの空気を一変させるムードメイカーである。
天性の才能に加え、子供の頃からの暗い努力が潤平を鍛えた。
コンテではダークサイドをみせた。
逆にクラシックではいい方向にアピールできたのではないか。

楽屋の潤平

寿たちが潤平の楽屋にはいる。
「いやぁ!あっぱれ!!」
寿はおっさんみたいな褒め方をする。
奇跡のリカバー。
シューズをかっこよく投げた・・・。
しかし潤平は落ち込んでいる。

「本選落ちた・・・」
「終わた・・・」
「いらんスイッチ入ってしまったー・・・っ」
あんな冗談みたいな切り抜け方をコンクールで評価してもらえるとは思えない。

バンダ中村先生がなぐさめてくれる。
「アドリブでシューズを放り投げた行為」は審査員の間で賛否が分かれるだろう。
しかしおかげで舞台は盛り上がりまくった。
パフォーマンスとしては最高の判断だった。

中村先生は本心から言う。
「俺は、お前のとんでもないポテンシャルに震えたよ」
とっさにあれだけの機転をみせるのは、プラス評価につながる。
「決戦に残る可能性はあると思うぞ」

ほめられて潤平はすぐメンタル回復する。
「いつもよりいい感じなところもっ・・・あった気がするっ・・・!」
シューズ無しで踊ったおかげでていねいに踊れた。
すなおさとメンタルの強さは潤平の長所だ。

サシュコーのバジル

続いてサシュコーがバジルを踊る。
潤平たちは会場に戻って見に行く。
去年優勝しているくせに、サシュコーはもう一度おどりにきたのだ。
キャラの幅を広げるために、明るいやつを踊る。
しかも潤平と同じバジルだ。

サシュコーは超絶テクニックを見せる。
会場は盛り上がりまくる。
潤平はサシュコーのパフォーマンスに見覚えがある。
サシュコーの動きに既視感。
ブランコの完全コピー、同じ構成だ。
衣装まで同じに合わせてきている。

潤平のなかにいる最盛期のブランコがサシュコーと重なる。
もちろん体つきは微妙にちがう。
サシュコーのほうが長身でほっそりしている。
しなやか。

審査員は当然ブランコのコピーと気づくだろう。
こういうのはどう評価されるのか?

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ダンスダンスダンスール16巻発売日は3月12日

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