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【ダンス・ダンス・ダンスール ネタバレ】13巻115話

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潤平と夏姫の居残り練習

ふたりはこっそり抜け出して練習をはじめる。
鍵を持ち出してレッスン室に忍び込んだ。
月明かりの下で見る、夏姫は美しい。

はじめて会ったときの夏姫とは違う。
体がふっくらして女らしい線になっている。
大きな目だけはそのままだ。

潤平は興奮している。
リュックを放り出し、
服を脱いで練習をはじめる。

真っ暗なレッスン室で二人は踊る。
うまくいかない。

もう負けが確定しているのかもしれない。
銀也は、海咲たちを選んだようにみえた。
今さら間に合わないかもしれないが
それでもまだ練習する。

できることは練習だけ。
ケータイで音楽をながし
録画して自分たちの形を確かめる。

問題が山積みだ。
たった5分間のあいだに
うまくいかないことが多すぎる。

夏姫の苦しみ

夏姫は休憩しながら1幕の曲を聴いている。
自分のソロパート部分をイメージしている。
悩んでいるのだ。

自分には実力が足りない。
響の踊りを見て痛感させられた。
響からは物語を感じさせられた。

オーロラ姫の人生を響は語っていた。
全幕ものの主役を踊るに必要なことだ。
そんな力が自分にないことを夏姫は痛感している。

コンクールで入賞したのは、
あくまで「将来への期待値」を評価されたに過ぎない。

海咲と響のパドドゥはハッキリと
実力の差を突きつけてきた。

現実を認めざるを得ない。
自分たちは主役に選ばれない。
夏姫は苦しい。

だけど苦しむ夏姫は大人びて見える。
髪をおろして真剣に涙ぐむ姿が美しい。

潤平はあきらめない

「夏姫のオーロラこそ世界一っ・・・!」
潤平は叫ぶ。
YAGPで見た夏姫は素晴らしかった。

「愛らしすぎてっ」
「いとおしくて」

潤平はもともと王子などに興味がない。
それでも王子役をやりたいのは夏姫のせいだ。
「お前の王子には唯一、心から成りたい・・・!!」
どもりながら、潤平からの必死の告白が出た。

まだあきらめない。
主演を勝ち取ってみせる。
いまだに問題が山積みだ。

夏姫をまわすサポートがうまくいかない。
イバラにがんじがらめに閉じ込められたようだ。
問題を分解し、ひとつひとつ取り組む。

試しに潤平が夏姫を回転させてみる。
夏姫は立つだけ。
ていねいに取り組む。

イバラをかき分けるように
慎重に抜け道を探す。

ようやく回転がうまくいった!
流れがはまった。

うれしい。
ふたりは目を見合わせる。

「姫っ・・・!!」
おもわず潤平は夏姫を持ち上げて喜ぶ。
夏姫もおもわず答えてしまった。

「王子っ」
ふたりで達成したわずかな上達だ。
小さな進歩がめちゃめちゃうれしい。

 

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