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【バレエ・リュス ー ニジンスキーとディアギレフ エピソード】魔の酒アブサン

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ni]21せいきバレエ・リュスの成功とともに
ヨーロッパではキャビアも流行した。
ディアギレフは『牧神の午後』公演の時に
たくさんのキャビアとシャンパンを用意して
お客をもてなした。

ディアギレフは美食家だ。
チョコレートボンボンと
キャビアとサーモンが大好き。
シャンパンもよく飲む。

ニジンスキーはそんなディアギレフが気に入らない
ディアギレフのことを「豚」とののしる。
むしゃくしゃした気持ちを抱いて
ニジンスキーは女を買いに出かける。

「人肌が恋しい」

娼館では娼婦が酒を用意している。
「シラフじゃ世の中きついでしょ」と
水割りにして口移しでアブサンを飲ませる。
アブサンはパリで大流行した飲み物である。

アブサンとはどんな酒?緑色の魔酒

アブサンは緑色のリキュールだ。
きついにおいがする。
ニガヨモギからとった香味成分のせいだ。
クセになる香り。
この香味成分ツヨンに向精神作用があるとされていた。
飲むと幻覚を見るという・・・。
アブサンの幻覚は詩や絵画の題材となり
19世紀フランスの芸術家たちに愛飲された。

このころのアブサンは安かった。
ワインの国フランスで、食前酒のシェア90%をとったという。
大流行したのだ。
安いうえにアルコール度数も高い。

当時の破滅型の芸術家たちがアブサンを飲んだ。
詩人のヴェルレーヌは美少年ランボーと
痴話喧嘩をしながら飲みまくった。
画家のロートレックは、身体障害の鬱屈から
アブサンにおぼれた。
ゴッホはろくに食事もとらず
衰弱して歯が抜け落ちながらも
アブサンを飲み続けた。

安価でアルコール度数の高い飲み物だったため
アブサンは転落のきっかけになった。
独特の香味と酔い心地が愛好者をとらえて離さない。
結局たくさんの破滅者を生み出してしまった。

アブサンは20世紀初頭に多くの国で禁止されたが
今では禁令が解かれ普通に飲むことができる。
ツヨンの量を抑えた商品が流通している。

アブサンの飲み方

フレンチスタイルとチェコスタイルがある。

フレンチスタイル(クラシックスタイル)

下部に液だまりのあるポンタルリエグラスにアブサンを入れ
角砂糖を載せたアブサンスプーンをグラスにおいて上から水を少しずつ落とす。

チェコスタイル(ボヘミアンスタイル)

アブサンで湿らせた角砂糖をアブサンスプーンに乗せ火をつける。
燃え始めた角砂糖に水をたらし、スプーンの隙間から砂糖水を落とす。

緑色に透き通ていた酒が水が落ちると白く濁る。
変色した水割りを飲むのだ。
退廃的な何とも言えない雰囲気を楽しめる。
アブサンをつくる水割り用のスプーンも
さまざまなデザインあってかわいい。




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