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【ダンス・ダンス・ダンスール ネタバレ】13巻119話

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潤平と夏姫は良く仕上がっている

二人はうまく踊れている。
ほかのペアにない魅力がある。
楽しそうなのだ。

ライバルたちに足りなかった要素だ。
銀也は2ヶ月前のリハーサルで物足りなさを感じていた。
「ワクワクしない」と。

潤平と夏姫にはワクワクがある。
踊る時の表情が、もう違う。
ニコニコしたり、見つめたり、
顔いっぱい笑ったり。
内側から感情があふれ出す。

銀也が思わず笑ってしまう。
「リフトがお姫様抱っこに見えるわ!」
潤平たちには華がある。
リハーサルで会場の反応は上々だ。
好意的な拍手がわき起こる。

「キャラが立ちすぎてしまったが、
下品にはなっていない」
バンダ中村先生が期待して見ている。
「このまま落とすには惜しいと
思わせることはできたんじゃないか?」
まだ望みはありそうだ。

自信喪失の海咲が、響に活を入れられる

海咲はゆううつだ。
潤平たちの踊りがまぶしい。
自分の能力不足を痛感している。
「せめてあなたの邪魔をせんように頑張りますわ」
最近、銀也から注意されてばかりだ。

「上っ面をなぞるだけの演技」と言われた。
海咲には思い当たるふしがある。
というか自分が気にしている本質的なところを
銀也は的確に指摘している気がする。

ー自分には才能がない。
ー才能があるふりをしてだます。
ーだますのが自分なりの舞台だ。

潤平の踊りを見ていると「才能」を感じる。
潤平は心の底から明るくて魅力的だ。
ごく自然に人をひきつける。
海咲は見ていて気後れしてしまう。
卑屈な言葉が口から出てしまう。

響はかわった。
海咲に活を入れる。
「そのまんまで王子なんだから」
「そのままでいればいいだけ」
響はポストカードを海咲に見せる。
美術館で海咲にもらったやつだ。

「あなたと踊れるおかげで覚悟が決まった」
「わたし、プロになる」
「ずっとバレエのなかで生きる」
響は目覚めた。
百年の眠りから覚めたプリンセスだ。
王子が来るのを待っていたのだ。

海咲は王子だ。
眠りについた素晴らしいお姫様をおこした。
あんなに一生懸命、響にアプローチしていたのは
海咲がもともと王子だったからだ。
海咲の思いは響に通じていた。

「しのごの言わんと、目覚めさせた責任、取らせていただきます」
覚悟をきめて海咲はリハーサルに臨む。

主演決定。響・海咲がゲット

リハ翌日。
オーディションを待たずに「眠り」の主演が決定した。
海咲と響きは2日目の主演。
潤平と夏姫はアンダー(代役として待機だ)
ロシア留学帰りを差し置いて海咲たちが割り込んだ。

大抜擢である。
それでも響は不満がある。
2日とも主役がやりたかった。
それだけの力があるのに。

潤平と夏姫は及ばなかった。
アンダーだ。
掲示板をみながら、ふたりは口数が少ない。
「そりゃ、そうよね・・・」
実力不足。
言葉にならないほどの悔しさがある。
「やれるだけやれた」
「チャレンジできてよかった」
「ほんと楽しかったよ」
口にするとむなしい。

まあでも本番まで何があるかわからない。
潤平と夏姫にも公演に出てほしいとおもうが・・・。

テレビ放映でふたりがブレイクするかもしれないし
今後に期待する。

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