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【タンゴの男 ネタバレ】5話 孤独の歳月

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ヒロとアンジーはふたたび一線を越える

キスしてしまうとあとはもう自然に流れが生まれる。
しかしヒロの心が勢いに逆らう。
流れに従うことを世間の価値観が許さない。
頭の中にあるストッパーが体にブレーキをかける。

抱き寄せる腕の力
唇にあたる髪の感触
これは男だ。
俺と同じ雄だ。

アンジーはたくみに説得する。
ここには他に誰もいない。
何を選んでも誰もとがめない。
むりせず自分のしたいことをすればいい。

ヒロはアンジーが好きだ。
ヒロはずっと孤独だった。
幼いころに母のもとを離れていらい
だれもヒロの感情に寄り添うことはなかった。
孤独を受け入れながら生き抜いてきたのだ。

誰もヒロをいやすことはできなかった。
父はヒロから逃げた。
祖父は「あいのこの孫」を許さなかった。
学校に居場所はなかった。
恋人も勝手な都合ばかり。
もともと人間は勝手なものだ。

アンジーも同じく孤独を抱えている。
現実に耐える力がふたりにはある。
世界に文句を言ったって何にもならない。
冷静に世界を観察し
自分が生き残るためにできることをしてきた。

ふたりは同類だ。
ただ一緒にいるだけで
お互いの孤独を理解できる。

アンジーは愛を告白をする

アンジーはヒロを抱き寄せて
自分の心臓の音を聞かせる。
心からの愛の告白がつづく。
ヒロがここに来てくれてうれしい。

今まで生きてきてこんなに
ドキドキしたことはない。
まもなく40歳になる。
これからもこんな出会いがあるとは思えない。

ヒロの存在は、救いだ。
ヒロを大切にしたい。
ゆっくり時間をかけて関係を深めたい。

濃厚なベッドシーンがはじまった。
たっぷりと18ページ分だ。
筋肉質なふたりの男のからまりあい。
事が進むにつれ、ためらいと驚きが
重なってやさしいクライマックスが高まる。

『孤独の歳月』

シャワーを浴びてから
ふたりはベッドのうえでワインを飲む。
アンジーが音楽をかける。
ピアソラの『孤独の歳月』だ。
孤独の歳月
ミルバとピアソラがコラボしたバージョンは
はてしなくロマンチックで美しい。
ミルバはイタリアのカンツォーネ歌手。
野太い声が肉体のたくましさをの感じさせる。

ただ一曲のタンゴが
百年の孤独を忘れさせてくれる

孤独を正面から受け入れ
逃げずに戦い続けたからこそ
どうしようもなく救いが必要になる。
恋のように。
タンゴのように。

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