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【ムラサキ ネタバレ】1巻1話『嵐』

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『ムラサキ』は、創作ダンスのマンガだ。
コンテンポラリーというやつである。
うさんくささを物ともせず
ヨガ、神道といった
スピリチュアルな要素からも逃げず、
正面からとりくむ
青春ダンスマンガである。
とにかく熱い。

いっぽうで有名マンガの絵柄をさしこみ
過去の伝統への敬意をみせる。

ガラスの仮面、
稲中卓球部、
スラムダンク、
ハンターハンター、
巨人の星、
などなど。

切れ切れに放り込まれる
絵柄の断片がそれだけでギャグとなる。
マンガを読み続けた過去の記憶が
味わい深く染み出して
あたたかいおじやのように
いやしてくれる。

「ムラサキ」はぽっちゃり女子高生

「ムラサキ」は主人公の名前だ。
ムラサキはコンテンポラリーダンスを信じている。
素人なのに、創作ダンスの授業で
一生懸命「嵐」を表現する。

ところがムラサキ以上に
クラスを魅了する同級生が現れる。
美術部の菫ソラだ。
ソラは「風」を踊った。

ムラサキは創作ダンス部を
立ち上げる活動をはじめる。
ソラにひかれたのだ。
いっしょに創作ダンスをやりたい。

ムラサキは、子どものころに
素晴らしいダンスをみたことがある。
世界がかわった。
ダンサーが動くだけで空間が塗り替えられた。

衝撃だった。
もう一度あんな舞台をさわりたい。
やむにやまれぬ思いをかかえて
ムラサキはソラを追いかける。

天才、翡翠(ひすい)翔之助

ソラを追いかけるのは
ムラサキだけではなかった。
たくさんの男たちがソラのファンだ。
ソラをおって大量の男どもが
美術部に入部した。

翡翠翔之助はソラを追うひとりだ。
ひそかにストーキングしている。
長髪、痩身で学ランのすそが異様に長い。
ソラをつけまわして、
ひそかにソラに向けて踊っている。
髪とすそをはためかせて
翔之助は空を舞う。

しかしその姿は美しい。
風のような身ごなし。
ムラサキは衝撃をうけた。
ストーカーで変態。
完全にアウトな男だ。
だけどダンスはすごい。

ヨガ部に入ってダイエット

翔之助はヨガ部に入っている。
美術部の真下にヨガ部があるからだ。
二階で作業するソラに向けて
地上から踊りをささげるのだ。

ムラサキは嫉妬する。
ヨガ部があるのになぜダンス部が無いのか。
ソラにだけどうしてダンスをささげるのか。
「太っているから?」

まずやせて、見た目で勝利してやる。
ムラサキはソラに宣戦布告する。
2か月で同じ47キロまで減量する。
達成したら翔之助をダンス部に入部させる。

神式ダイエット

ムラサキのダイエットが始まった。
やることは単純。
原理は「食べずにクソ動く」
これにつきる。

毎朝、神社に参拝し登山する。
神に決意表明。
それから山道を徒歩で往復4時間。
翔之助を理解できるのは自分のほうだ。

熱い衝動がムラサキを動かしている。

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