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【ムラサキ ネタバレ】1巻2話『稜線の向こうへ』

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ムラサキのダイエット

ムラサキのダイエットはシンプルだ。
2ヶ月間たべずにクソ動く。
与沢翼と同じルールである。
与沢翼は2ヶ月で20キロ落とした。

ムラサキの場合は
修験道っぽいテイストを足している。
毎朝はやくおきて神社に参拝し
4時間の山登りをする。

ダイエット本を読みあさり
自宅で筋トレする。
ダンスのDVDをみながらエクササイズ。
雨の日も晴れの日も継続。

学校生活もダイエットが中心だ。
登校時はレインウェアを着て走る。
体育の授業ではいつまでも泳いでいる。
(バタフライだ)
昼食はなま卵ひとつだけ。
タンパク質を摂取する。

放課後はヨガ部に向かう。
翔之助の見る前でポーズを取り続ける。
すさまじい集中力だ。
ダンスへの想いと
菫ソラへの想い。
翔之助への想い。
みずからの体型への劣等感。

さまざまな感情が渦巻いて
ムラサキをつきうごかす。
思春期の若さと単純さが
ダイエットに専念させる。

山頂での出会い

ムラサキは山頂で座禅を組んでいる。
目を閉じて夕日に向かい
瞑想状態に入っている。
「おじゃまします」

うしろから女神のようにソラが現れる。
スケッチブックを持っている。
絵を描きに着たのだ。
ソラにとっても山頂は特別な場所。

地球が回っていること、
昼と夜の境目をはっきり感じさせてくれる。
特別な感覚をつかむため
ソラもよく山頂にくる。

翔之助は神凪(かんなぎ)だった

ムラサキを突き動かすのは翔之助なのか?
ムラサキは翔之助を好きなのか?
それではげしいダイエットをするのか?
ソラの問いにムラサキは激昂する。

ソラと翔之助はどんな関係なのか?
翔之助はソラをストーキングしている。
いつもそらのうしろで踊っている。
ヤバすぎると思わないのか?

翔之助は特別な人間なのだ。
ソラは教えてくれた。
紫峰山神社の神凪(かんなぎ)である。
先祖代々おどる役目を担ってきた。
おどることで神をなだめるのだ。

ソラは翔之助のおさななじみで
さらに理解者でもある。
言葉のそとでわかりあっていた。
翔之助は踊りでコミュニケーションするのだ。

ムラサキは翔之助のあらたな理解者だ。
翔之助の踊りを発見し、
ダンス部を作って外界とつなげようとしている。

嵐のなかで覚醒

2ヶ月目。
ダイエットの最終日となった。
大型台風が近づいているにもかかわらず
ムラサキは山をのぼる。

山頂には翔之助がいる。
ほぼ全裸で雲を見下ろしている。
ふんどしをはためかせ
うずまく雲をみつめながら
なにやら呪文をつぶやいている。

台風の目の中心で
光に包まれて翔之助は舞う。
長髪を流しながら空中で回転する。
降り立った目の前にムラサキがいた。

メガネをはずしたムラサキは美しい。
やせている。
リュックサックから体重計をとりだし
服を脱いで計測する。

47キロ。
ダイエット成就。
ムラサキは光に包まれて手を差し伸べる。
「翔之助くん
私の創るダンス部に
入ってくれませんか?」

翔之助はひざまずいて承諾する。

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