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【ムラサキ ネタバレ】2巻9話『オレ達似てるか?』

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ダンゴ茶屋での再会

取り戻した記憶をかかえて
ムラサキは山をのぼる。
のぼった先に翔之助がいた。
学校の中庭で踊った時いらいの再会だ。

翔之助はダンゴを食べている。
あいかわらず不思議な男だ。
先日のお詫びとして
ムラサキにダンゴをおごってくれるという。

山頂の展望台でふたりはダンゴを食べる。
翔之助は踊ったことを謝ってきた。
あの後けっきょく不審者として
学校に捕まってしまった。
「さすがに露出が多すぎたらしい」
と反省している。

ダンス自体はともかく
ソラを「ストーキング」していたことが
学校に問題視されてしまった。
つけまわしたあげく奇妙な踊りをする。

自分なりの理屈があって
翔之助は動いている。
ただしその理屈がに通らない。
ムラサキという理解者を得たが
はたして自分のダンスで
社会と通じ合うことができるのだろうか?

まずは部活だ。
ダンス部という枠があれば
発表会というていで見てもらえる。
はたしてダンス部を作れるだろうか?
翔之助は気にかけている。

あらたな目標は文化祭

ムラサキは現状を報告する。
今のところダンス部創設はむずかしい。
というかほぼ無理。
顧問の先生は見つからない。
部員候補も逃げてしまった。

それでもダンスはできる。
翔之助もムラサキも生来のダンサーだ。
踊らずにいられない。
生きることそのものがダンス。

そして人に見てもらわなければならない。
言葉を超えた論理を
直接みせることでコミュニケーションする。
本能が他者との交流を求めている。

そのために舞台に上らなければならない。
ムラサキが提案するのは文化祭のステージだ。
部がなくても申請が通ればだれでも使える。

オレ達似てるか?

翔之助は孤独を抱えている。

ひとり異国に流されて
誰もオレの言葉の意味が分からない。
きみもそう思うことがあるか?

翔之助は同志を求めている。
ムラサキへ真剣に問いかける。

オレ達似てるか?

膨大なエネルギー、豊饒な世界を
誰かと分け合いたい。

ふたりは世界を共有できるのか?

ムラサキは答える。
まったく思いがけない方向から。

カブトムシ派とクワガタ派

翔之助とムラサキは同類だ。
しかし他者だ。

カブトムシ好きとクワガタ好きのようなものだ。
翔之助はカブトムシ派。
ムラサキはクワガタ派。
どちらも虫好きだが、別の価値観を持っている。
周りから見ればいっしょだが
相容れない別世界の人間だ。

ダンスと同じ。
どちらも踊る。
しかし別々の世界を持っていて
ふたりが踊ればふたつの世界が
コミュニケーションするのだ。
カブトが強いかクワガタが強いか
そんな話で盛り上がれる。

翔之助は展望台の望遠鏡から
ムラサキに下界を見せる。
いつもここから見えるものがあるのだ。
ソラである。

ソラも山に登ってくる。
いつも同じ時間にのぼり
ぼうぜんと横たわっている。
「羅針盤が同じ方を向いているんだ」

ムラサキと翔之助、ソラ。
3人が3人とも
やむにやまれぬ衝動にかられて
この山に登ってしまう。

3人は将来かならず出会うことになる。
同じ舞台で踊るだろう。
予感に満ちてムラサキは翔之助を投げ上げる。
はるか高く投げ飛ばされ
翔之助は空を飛びはじめる。

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