＃厳男子＃ムラサキ＃ネタバレ#最新話＃４巻＃３９話

更新日：2021年6月17日

ワンチャンぶち抜いてスパーキン？

ムラサキの回答はわけがわからない。
「私たちは爆発した星の欠片でできている」
「ワンチャンブチ抜いてスパーキンよ」
「心配してくれてありがとう。ソラちゃん」

どういう意味なんだろう？
自分がダンスするのはもう宿命だ、ということか。
たとえ死んでしまうとしてもかまわない。
一瞬でも光かがやくことができればムラサキは満足だ。
大好きなダンスは絶対に続ける。
でも心配してくれてありがとう。

ソラとムラサキの会話に翔之助がわって入る。
とはいえ無言で踊るのみ。
素晴らしい身ごなしだが言葉がない。
何かを伝えようとしているのだが
その内容は言葉をこえている。

ふしぎなコミュニケーションである。
黒飛には翔之助の意図が伝わった。
ようするに翔之助は、黒飛をダンスに誘っている。
通常とまったくかけ離れた世界へ黒飛をいざなっている。

黒飛は翔之助に魅了されている。
もし翔之助のてにふれてダンスに参加してしまったら
価値観が変わってしまう可能性がある。

物語は突然「トロッコ問題」の説明にとぶ。

１）トロッコが５人のひとをひき殺しそうだ。
あなたが線路を切り替えたら５人を救えるが
かわりに別の路線にいる１人が死ぬ。
どうする？

２）トロッコが５人のひとをひき殺しそうだ。
あなたが目の前の１人を線路に突き落としたら５人を救える？
突き落とすか？

同じ状況だ。
違いは、線路を切り替えるか？相手に触れてつき落とすか？
「触る」という動作じたいが人の倫理観に影響をおよぼす。

ダンスも同じような危うさを含んでいる。
ただ単に体を動かすだけ、手をにぎるだけなのに
人の価値観を徹底的に変えてしまう力をもっている。

翔之助はまるで社交ダンスのように
黒飛の体をホールドする。
Shall We Dance?(踊りませんか)
とまどう黒飛はあっというまに
翔之助のダンスの世界に取り込まれてしまった。

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