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【ムラサキ ネタバレ】2巻10話『何かが痛む』

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空をとぶ夢

翔之助は空をとぶ。
ムラサキに投げ上げられて
そのまま降りてこない。
空中で終わらない夢を見る。

クワガタ派とカブトムシ派の
ただの虫ごっこだったのに
異常な感覚の世界に入ってしまった。
虫たちも同じだろうか、
投げ飛ばされながら夢を見ているのか?

翔之助は海の上を飛ぶ。
山脈に向かって
日の出に向かって飛び続ける。
翔之助はデジャブを抱きしめる。
この光景に見覚えがある

満点の星空と碧いトルマリンのような月
無限に開けない夜を空中浮遊している夢

遠い核融合の残光の中を彷徨い続け
不意に
永遠の漆黒の中から脱出する方法を閃いた。

コマ割りが大きくなる。
はてしなく加速して
翔之助は地球を飛び出していく。
月に到達し、青い地球を俯瞰する。
すさまじい速度で大気圏に突入。

地球の自転よりも早く移動し
太陽を追いかける。
夜エリアからから昼エリアへ。
時間をさかのぼって帰ってきた。
ムラサキの前に戻る。

ムラサキと翔之助はふたりで踊る

翔之助はしなやかに着地する。
ムラサキが待っていた。
月まで行って帰ってきたことを
ムラサキは知っている。

いままでずっとひとりで踊ってきた。
他人が感じ取れないものに向けて踊った。
孤独でいることが当然の前提だった。
ソラだけは気づいてくれた。

ムラサキも翔之助と同じだ。
生きることがそのままダンスだった。
コミュニケーション・戦い・鼓動・・・
だけど本気でやると社会のルールからはみ出してしまう。

友だちを傷つけたり
パパを困らせたりしないよう
自分を抑圧しなければならなかった。
今はもうちがう。
ムラサキが全力でダンスをしても
翔之助なら受け止めれくれる。

ふたりは一緒に踊りはじめる。
むかしみた夢のつづきが見られるかもしれない。
お互いに向かって走り出す。
武道の立会いのようなダンスがはじまる。

マリンの幻肢痛

マリンは痛みを感じている。
ムラサキに吹き飛ばされてから数年後、
マリンも高校生になっている。
同じ高校で生徒会長だ。

高校全体をたばねる存在。
支配者として学校を統治している。
あくまで理性的に、秩序だった統治。
いっぽうで得体の知れない欠落を感じている。
欠落は「痛み」としてはっきりと
マリンに迫ってくる。

その痛みは幻肢痛のようだ。
存在しない腕に激痛が走るかのように
マリンの心が痛い。
ありえないことだ。
マリンは痛みを押し隠す。
論理的に存在しないものだから。

生徒会での議題はムラサキ

生徒会が開かれている。
議題はムラサキの舞台出場について。
秩序をおもんじるドラゴが
ムラサキを警戒している。

活動停止中のヨガ部からの申し出で、
しかもストーカーの翔之助が参加する。
舞台に載せるのは危険すぎる。
ドラゴからの提起にマリンも同意する。
「彼女は少々度が過ぎる傾向にあります」
よしりんも不安を口にする。
ムラサキはこわい、何をするかわからない。

放送部のDJ黒飛は反対する。
アーティスティックな男である。
DJ黒飛は翔之助のふんどしダンスをみたい。
すごい踊りだったらしい。

なぜかマリンの心が痛む。
ムラサキは異常なノイズだ。
知性で処理しきれないもの。
ムラサキの話題がでると
マリンの世界観がゆらぐ。

生徒会は申し出を否決した。
ドラゴから結論を聞かされたソラは
ムラサキに会うために駆け出した。
話をしなければならない。

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