マガジンサード 社交ダンス

【10ダンス ネタバレ】2巻6話

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音楽をかけるだけで踊れるようになる鈴木

スタンダード杉木にイギリスから連絡が入る。
知人のバンドマン、アーネストからだ。
杉木は不機嫌に対応する。
ラテン鈴木のレッスンがうまくいかない。
鈴木がワルツを踊れない。
顔には出さないが杉木はがっかりしているし、あせってもいる。
年末の予定を大幅にキャンセルした。
なんとかしてラテン鈴木にワルツを踊らせたい。

アーネストは単純なアドバイスをしてきた。
音楽をかけて踊らせろ。
ラティーノは楽しくないと踊らない。
カウントをとって踊らせるのは間違いだ。
スタンダード杉木は会話を切る。
そんな単純に解決するとは思えない。

アーネストからの音源を、杉木はパートナーに聴かせる。
「チャイコフスキーとお姫様ばかりですね」
きらきらクネクネの選曲だ。
杉木の嫌いな乙女系のクラシック。
レッスン室にやってきたラテン鈴木をさえぎって音楽をかける。
「今日は曲をかけて踊ってみましょう」

あっというまに問題が解決した。
「あ、体が動く」
ラテン鈴木がスムーズにワルツを踊れている。
まるで手品のように変化した。

思えば鈴木自身が言っていたのだ。
「楽器がなるだけで身体が動く血筋だけどさ」
アーネストだってわかっていた。
メトロノームのカウントでうまくいくわけがない。
杉木だけがわかっていなかったのだ。
問題は簡単に解決してしまった。
「僕は馬鹿か」
晴れやかに笑う鈴木を見ながら、杉木は自分を責めた。

深夜の告白「やっぱりあなたは僕の憧れ

この日はレッスンを切り上げて帰宅することにした。
スタンダード杉木を追って、鈴木が声をかける。
「今日は俺、最後のつもりできたんだけれど」

ラテン鈴木は上達しない自分に見切りをつけようとしていた。
スタンダード杉木はトップを目指している。
鈴木は、杉木の足を引っ張るばかりだから辞めたほうがいい。
スタンダードの才能がない。

杉木は嬉しくてたまらない。
ラテン鈴木は素晴らしいスタンダードを踊れる。
今夜のワルツを見て確信した。
自分の目は正しかった。

鈴木の手を掴んで引き寄せ、おもわず告白してしまう。
「間違ってなかった」「やっぱりあなたは僕の憧れ」
もう愛の告白だ。
鈴木のデビュー戦のときから特別なものを感じていたのだ。
クリスマス前のにぎわい。
街の雑踏の中でふたりだけがいる。

スタンダードのレッスンが順調に進むようになった。

難航するラテンのレッスン

逆にスタンダード杉木はラテンが苦手だ。
スタンダードをちがってラテンはパートナーと手を離してしまう。
その時の距離の感覚がつかめない。

ラテン鈴木はあいかわらず男女の例えでダンスを説明する。
「とにかくラテンの恋は嫉妬に執着」「もっとドロドロで情熱的だ」
「あんたは四六時中俺のことで頭を一杯にしてりゃいいよ」
競技中は身体全体を目にしてパートナーを見つめている。
距離が離れていてもセンサーはパートナーを離れない。

ラテン鈴木の指導はきわどい。
「アンタ最近色っぽいことした?」
杉木の頭をつかんでキスしてきた。
「この距離だよ!」
「ほら、エロい顔してみろ」

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