ヤンマガ 社交ダンス

【10ダンス ネタバレ】1巻5話

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杉木と鈴木は同類

スタンダード杉木の強さはどういうものか?
素人でもはっきりわかる強さ。
動きが尋常ではない。
スポーティーでダイナミック。

杉木たちの影響を受けて
若いダンサーたちの踊りも
スポーツ寄りになった。
逆に言えば社交ダンスらしくない。

圧倒的な技術を持ちながら
杉木のダンスは年配の審査員たちには不評だ。
ラテン鈴木も同じ状況にいる。
もっとひどい。

鈴木の場合は競技ダンスの枠からもはみ出している。
スピン回数の多さ、タイトなリズム感、
足の上がる高さ、表現力の豊かさ。

突出した能力を見せながらも
規定違反があまりに多く
競技会ではさんざん減点された。

スタンダード杉木は、鈴木の中に
ダンスの無限の可能性を感じたのだ。
人間はもっともっと動ける。
既存のルールが追いつかないほど
社交ダンスは進化できるはずだ。。

ラテン鈴木の憂鬱

ラテン鈴木は悩んでいる。
スタンダード杉木の「スウィング」を忘れられない。
ラテンとはまったく異なる身体感覚。
異常なほど滑らかで、それでいて
ジェットコースターなみに体が動く。

自分のスタジオに帰ってから
鈴木の動きを再現したくなる。
「ぐうの音も出ないほどかっこよかたぜ」
ワルツを歌いながら記憶をたどる。
「今すぐ俺もあんなふうに踊ってみてー」

ラテン鈴木は豹変した。
まじめにレッスンを受ける。
杉木のレッスンは基礎徹底だ。
つまらない。
音楽はなし、カウントのみ。
基本的な「クソホールド」を
狂いなく合わせていく。

この地道な練習の先に
ジェットコースターの浮遊感覚がつかめるはず。
終電がなくなった深夜から始発の来る朝まで
鈴木と杉木ははてしなく踊る。

あわせた手のひらから
鈴木の身体感覚がもろに伝わってくる。
ラテン鈴木が従順になり、
スタンダードの感覚を吸収しようとしている。

キャラすら変更

ラテン鈴木は変わった。
笑ったり、ふざけたりしなくなった。
クリスマスだというのに大はしゃぎしない。
ダンススクールの生徒たちが異変を感じている。

パートナーのアキも心配している。
スタンダードの練習を辞めさせたがっている。
ラテン鈴木が根本的に変わろうとしているのを
不安に感じている。

動きのイメージはある。
形だけならマスターしている。
しかし奥底にあるものがつかめない。
違和感を抱えたまま、杉木と鈴木は毎晩おどる。

ラテン鈴木は弱気になっている。
杉木に要求される動きができない。
もうやめようといつ言われるかびくびくしている。
やめたくないのだ。

スタンダード杉木にも鈴木の焦りが伝わっている。
つないだ手のひらから不安が生々しく感じられる。
「僕は選択を間違えたのかな?」
杉木は自問した。
どうしてもうまくいかない。
パートナーの房子からもレッスンを辞めるよういわれている。
このままではラテン鈴木をつぶしてしまうと。

それでもやめる気にはならない。
理由はわからない。
ただこの相手でなければならないと
お互いにわかっている。

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