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【#10DANCE #テンダンス #ネタバレ】#4巻#21話

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タンゴレッスン開始

房子とアキたちが帰り、杉木と鈴木が残る。
いつもどおり二人の時間だ。
1対1になると軽い嫉妬のはいった会話を交わす。
しかし時間がない。
もう深夜1時をだいぶすぎた。

終電から始発までのあいだにレッスンをしたおしたい。
倒れるまで踊る。
タンゴはじめる。
スタンダードのなかで特殊な性質がある。

杉木はまず理論的にタンゴの個性を説明する。
ほかの踊りよりホールドが深い。
どれくらい違うのか?
杉木の説明は具体的だ。

男子は左足のつま先を軸に1/8回転する。
男子の右半身と女子の左半身が広く接触することになる。
「身体の密着度が高まり互いの体感はより強くなる」
杉木と鈴木は、役を入れ替えて練習する。
こういうことは身体を使って実践すると理解が深まる。

手のひらから伝わる好意

「よかった。あなたまだ僕のことが好きですね」
杉木がほっとする。
身体を密着させ、手をつなぐと感情が伝わる。
鈴木の好意が手のひらからテレパシーのように届いたのだ。

鈴木はおもわず赤面する。
指先から杉木からのメッセージもかえってきた。
「僕の気持ちが伝わった途端、拒否されたように感じて辛かった」
あまりに素直。
ストレートな感情だ。
鈴木はキューンとした。
「前よりまっ直ぐに伝わってきやがる」
言葉だとどうしても素直になれない。
はずかしくてためらう。
感情の動きに耐えきれず、はぐらかしてしまう。
ダンスの場合はそんなことはない。
自分の気持ちが隠さずに伝えられる。
「アンタこそ感情ダダ漏れじゃん」

「タンゴの場合は僕を焦らしてください」

ホールドしたままふたりは動かない。
タンゴのやり方がある。
「タンゴの場合は僕を焦らしてください」
杉木がリーダーに交代。
「焦らし」を実演する。
組んだまま、杉木は動かない。
身体を密着し、腿も密着する。
無音のまま鈴木の股の間に、杉木の足が差し込まれる。
「足?”足を開け”か?」

杉木の足をはさんで、鈴木がジリジリする。
音楽が聴こえ、身体がぞくぞくする。
杉木の手のひらから指示が出る。
足を開いてステップを踏み出す。
「あーこれだ」
「この瞬間以外どうでもいいって感覚」

タンゴで「もっき」

ひとしきり踊って、杉木は説明を続ける。
タンゴは支配の感覚が強い。
たとえば「ストークス」(ストーキング・ウォーク)。
通常の2倍の時間を使って「忍び寄る」ステップ。
リーダーには強い支配感がある。
女性のほうにも被支配感がある。

杉木は服を脱いでランニングシャツ姿だ。
鈴木のも上を脱いで上半身はだか。
体を動かして暑くなったのか?
ホールドしながら杉木が解説する。

タンゴは音楽が下から突き上げてくる感覚がある。
ラテンのように。
男性の体をつうじて、女性はそれを感じる。
ワルツとはぜんぜんちがう。

密着した下半身の感覚に杉木は違和感をおぼえる。
しかしなめらかに説明を続ける。
杉木の体が反応しているのだ。
「知っています。それは『もっき』」
「『勃起!!』何がどうですだよ」
鈴木は指摘されてようやく気付いた。
自分の体の変化にびっくりして逃亡。

俺とお前にキスを許す。クソたれ

「もっき」をきっかけに休憩にはいる。
スタジオの柱によりかかっておしゃべりタイム。
恋人たちの時間だ。

ふたりが出会うまでのめぐり合わせをかみしめている。
鈴木に出会わなければ、10ダンスを目指すこともなかっただろう。
こんな恋の感情を味わうこともなかった。

キューバの家族のために鈴木ははるばる日本に来た。
日本国籍を取り、社交ダンスをおぼえて金を稼ぐ。
妹たちにいい暮らしをさせてやる。
はなやかに成人式をあげさせ、大学で好きなだけ勉強させてやる。
長男の責任感が鈴木を動かし、ここまでさせた。
おかげで鈴木と杉木はめぐり会えた。

手のひらを重ね、杉木はキスする。
「誰がキスしていいっつったよ」
動揺して逆切れする鈴木。
「・・・けど・・・」
「っけど・・・俺はなぁ」
「俺とお前にキスを許す。クソたれ」
キレッぷりがかわいい。

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