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【#10DANCE #テンダンス #ネタバレ】#5巻#25話

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ジャパンオープンの決勝

アキも絶好調だ。
もう顔つきがちがう。
ダンスに集中し、確信に満ちあふれている。
まるで神につかえる巫女のようだ。
神託をのべるごとく、鈴木からのエネルギーを身体に取り込み、さらに観客に放出する。

観るものが幸せになる。
声援を送りながら表情が輝いている。
審査員たちは表情がさえない。
仕事を全うしなければならないからだ。
さまざまな諸事情を加味して点数をつけなければならない。
無心にダンスを観るわけにはいかない。

鈴木はアルの様子をうかがう。
「あの影響力と制圧感」
「まだまだ最後にもっと出して来んだろ?おっさん」
アルも鈴木と同じく強烈なパワーを会場に放射する。
ライバルを得て、アルは幸せなのだ。

杉木にはアルの気持ちがわかる。
同じ孤独感を抱えている。
ライバル不在のまま、トップを走り続けた結果、まわりに誰もいなくなってしまった。
世界選手権を11連覇したのだ。
「10年どころか1000年の孤独に感じるよ」
ひとり戦っていた世界に、鈴木というライバルがはいってきた。
遊び相手を見つけた子どものように喜んでいる。

「まだまだこんなもんじゃねーだろ」
アルはオーラを放出しながら鈴木を見つめる。
「もっと本気を見せろ!」
「もっと俺を楽しませろよ!」
鈴木はアルを見つめ返し指先で手招きする。
挑発だ。

アルの身振りが大きくなる。
存在感が大きくふくらんでフロアを飲み込む。
「これじゃ俺や他のダンサーも引きずられて身体のリズムがバラバラになる」
ガブが焦る。
強烈なエネルギ-におされながらアキは鈴木だけについていく。
鈴木もひっぱられる。
それでも鈴木のダンスも集中を増す。
「前と同じようにいくと思うなよ」
「俺は今日生まれた」
「あの場所にたどり着くために勝ちに来た」
鈴木の脳裏に浮かぶのは燕尾服をきた杉木の姿だ。
同じボールルームに男たちがいる。
アルもニーノも鈴木を見ている。

落雷とダンスの神の降臨

突然の轟音で会場の照明が落ちた。
まっくらだ。
落雷による停電アクシデントが起こった。
何も見えない。
音楽もなし。
フロアに奇跡がおこる。
見えないはずの神が暗闇にあらわれた。
金色の髪を波うたせ、浅黒い肌で腰まわりだけに布を巻いている。
スズキがダンスの神となって踊っている。

一瞬ののち、照明が復旧する。
アルのかたわらで鈴木が倒れている。
アルが鈴木にぶつかったのだ。
音響が復活しない。
けっきょく決勝戦は3種目のみで判定することになった。

5種目めのジャイブは音楽無し。
観客の手拍子で踊る。
祝祭のような雰囲気が会場を包む。
素晴らしいパフォーマンスを見た感動が会場を浸している。
アルは幸せそうだ。
鈴木もガブまでも幸福な表情でおどる。

鈴木組は世界選手権2位

審査員はむずかしい決断をせまられた。
スズキは文句なく素晴らしかった。
だがそういう問題ではないのだ。
「世界1位、2位のスター選手を読んでいるんだぞ。ここでダークホースの逆転ドラマはいらん」
「損得勘定の何が悪い」
思わぬところで審査員は人生のスタンスを問われることになった。

結果は、・・・2位。
アルの次、ガブの上だ。
うれしい。
もう会場全体が華やかなお祭り気分だ。
杉木先生も満たされた表情で、ひとり会場を後にする。

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10ダンス6巻の発売日は3月18日

特装版がまもなく発売です。




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