欧米人の身体はぜんぜん違う
YAGP2日目。
潤平は驚く。
まわりがすごい。
体型がぜんぜん違うのだ。
「脚長っっ・・・」
「くっそかわいいっ・・・お人形っ」
「オーラがただ者ではないっ・・・」
いちいち反応してしまった。
海外に出ると体型の違いにびっくりする。
そのうえ世界中から勝ち抜いてきた人らが集まっているから、相当なギャップがある。
初日は気づいていなかったのだ。
まわりをみる余裕がなかった。
「でも・・・みんな潤平くんをきにしてるね」
「すっかり有名人だね!」
寿が教えてくれる。
潤平のコンテはすごくよかった。
「予想1位」のサシュコーにあらわれた対抗馬が潤平だ。
「サシュコーくん」?
潤平はサシュコーが出たことすら気づいていなかった。
「観たかったっ・・・!!!」とおおさわぎする。
相変わらずにぎやか。
潤平は明るい。
「俺、アメリカならモテるんじゃ・・・!?」
確かにアメリカ向きかもしれない。
「オルガ=クズネツォフ」のクラスを見学
生川メンバーであつまって昼食をとる。
中村先生が興奮している。
「オルガ=クズネツォフ」という名前を発見したのだ。
もとボリショイのプリンシパルだった超絶美女。
先生はめっちゃファンだったらしい。
「会えるかなっ」
花吹雪をちらしてウキウキしている。
純真さを失わない。
そういえば中村先生は森真鶴のファンクラブにも入っていた。
潤平は寿と一緒に移動する。
「やばい・・・やばい奴しかいない・・・」
欧米との体格差にビビる潤平。
「オルガ=クズネツォフ」の教えるレッスンを発見し見学することになる。
もうなんというか身体が根本からちがう。
受講生たちは骨格が大きく、筋肉がしっかりついている。
これだけでダイナミックなダンス表現が期待できる。
サシュコー登場
サシュコーはオルガのクラスに参加している。
もちろんめだっている。
「全部を完璧に兼ね備えているダンサー」
ごくまれに現れる奇跡だ。
「バーレッスンでもダイナミックかつエレガント!」
目が吸い寄せられる。
サシュコーは、るおうに似ている。
王子だ。
動作のひとつひとつが無駄なく余裕。
正しく美しい。
それでいて影のある、ものうげな雰囲気。
「しかもるおうより心が安定してるのが、安心して見られる・・・」
いきなり潤平の前にオルガが現れる。
「どうしてそんなコワイ顔で見てるの?」
潤平はすかさず反応。
「Can I try your workshop?」
サシュコーと同じレッスンに飛び入り参加することになった。