ボールルームへようこそ10巻の発売日は1月17日
扉絵に正式発表が・・・。
ようやく10巻発売のめどがたった。
うれしすぎる。
審査員がぎゃくに審査されている
決勝戦まえの待機時間。
審査員たちが意見を交換しあっている。
どう審査すればいいのか?
釘宮組は素晴らしかった。
たたらたちも素晴しかった。
踊りのレベルが高くなればなるほど、客観的な審判がむずかしくなる。
逆にむしろ審査員の主観や、価値観が試される状況だ。
1位をひと組だけ選ばなければならない。
自分はなぜ釘宮ではなくたたらを選ぶのか?
もしくは、たたらではなく釘宮を選ぶのか?
審査員じしんで説明がつかないと気持ちが悪い。
積み上げた実績を評価するか?
だが才能の発掘も重要。
いま目の前にある踊りだけを評価するか?
しかしダンスの下地から踊りての生き様が浮かび上がってくる。
数値で評価し難い迫力。
「自分がその選手に何かを感じる時、その選手もまた何かを学んでいるのです」
審査員のほうでも必死でジャッジする責任がある。
釘宮の笑い「ふふっ」
決勝がはじまった。
クイックステップだ。
もう釘宮たちも、たたらたちもダンスだけに専念している。
他のことはなにもない。
釘宮の身体はこわれている。
全盛期のようには動かない。
「カクッ」
きしむ身体に、パートナー井戸川が対応する。
釘宮は怪我した身体をコントロールしている。
「ふふっ」
踊りながら笑っている。
体の限界を受け入れ、その上で最大限の効果を上げるよう全力を尽くす。
気迫にあふれながらも楽しんでいる。
今までの釘宮ではありえなかった表情だ。
さんざん苦しんで、のたうち回りながら踊ってきた。
「地獄だ」
そう言って顔を押さえていた。
決勝戦では一変している。
一種の悟りでも開いたかのように、釘宮は柔らかだ。
審査員たちにも、釘宮組からの圧が伝わっている。
審査員の目の前ですっと身体を伸ばす釘宮たちは美しい。
故障の影響は確実に、ある。
それでも身体の動きを超える表現力が見るものをおしてくる。
客席にも感情が伝播している。
釘宮のアピールに大きな拍手が起こる
オーラはたたらにも伝わる。
たたら組も審査員の前でアピール。
再びわき起こる手拍子。
たたらも笑っている。
たじろぐジャッジ。
時間が来れば決勝は終わる
観客から声援がおこる。
「13番!」
「42番!」
「千夏ぅ」
決勝戦は熱く盛り上がっている。
13番の釘宮組か、それとも42番のたたら組か?
審査員はどちらかを選んで,画面をタッチしなければならない。