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【#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ】#16巻#141話

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スマホを飛び出してせまるサシュコーのダンス

潤平はサシュコーの予選を動画で見る。
手持ちの道具がスマホしかない。
ほんとうは舞台でみたかった。

寿(ことぶき)のiPhone11pro。
最新型のでかいスマホだが、やはり動画の感動は現実におとる。
スマホはさすがにテレビより画面が小さい。
実際のサシュコーの舞台をかなり薄味で味わうことになる。
舞台は、とくにバレエは映像より実際に自分の目で観るほうがいい。

ところがサシュコーはスマホを飛び出して潤平にせまる。
小さな画面をものともしない迫力。
潤平は圧倒される。
口をおさえて画面に見入ってしまう。

サシュコーは速い。
「なんという鬼振り付け!」
「エッグイ音のとり方」
「エッグイ動き!!」

潤平はアホだ。
さっそくサシュコーの動きをまねてみる。
宙返りからの怒涛の倍速シーンだ。
「さすがに入り口付近で暴れない!」
あせった寿が必死に潤平を止める。

まねてみてわかるサシュコーのすごさ

サシュコーの動きはまったくマネできない。
はやすぎて踊りにならない。
「それをコイツはっ・・・」
「さも楽しそうにビシッビシッと!」
「音にあわせて!!」

しかもサシュコーあえて苦手なタイプの作品を踊っているという。
もともとディープな感情表現が得意。
昨年はそれで優勝した。
今回は芸風を広げるためにあえてフィジカルだけで勝負する作品をえらんだらしい。

昨年の優勝は通過点にすぎない。
サシュコーはさらに先へ進んでいる。
クラシックも、アルブレヒトではなくバジルをやるという。
これも芸風をひろげるためか。
正反対の雰囲気。
るおうと同じタイプかと思っていたが、るおうよりはるかに強い。
そして潤平の得意分野に果敢に踏み込んできている。

精神性より身体性へ。
高貴な王子から、太陽のような明るい男へ。
「・・・どう、何で、」
「太刀打ちすれば・・・」
とてもかなう気がしない。

潤平またもや深夜練習か

帰りのバスに潤平が乗っていない。
外でシュコーのコンテをさらっているのだ。
「今あんたが練習すべきはクラシックでしょ」
夏姫に突っ込まれてもやめられない。

真似てみてわかったことがある。
サシュコーはクラシックの基本「引き上げ」が身についている。
自分には身についていない。

コンテのあの速い動きをキープするために必要なのは「引き上げ」だった。
次の動きへの最短距離をキープするために身体をずっと引き上げる必要がある。

オルガ先生のアドバイスの意味がわかった。
潤平は身体を使い切れていない。
クラシックの基本「引き上げ」ができていない。
だからサシュコーの動きをコピーできない。

中村先生も反省していた。
「正直、お前はもう十分できていると思っていたが」
「もっとできる、身体で俺はやらせるべきだったのかもしれない」
この期に及んで基礎の徹底不足を感じている。

サシュコーのコンテを真似ることは、ただのミーハーではない。
クラシックの基礎に足りないものを、潤平が感じるための意味あるレッスンだった。

夏姫のノート作戦

夏姫も戦っている。
コンテに自信がない。
クラッシックのような役柄がないとどうしていかわからない。
「わたしには何にも・・・」
コンテで表現するような「自分」がない。

潤平がすすめたのはノート作戦だ。
思いつくことを何でもいいから書き出してみる。
くだらないことから恥ずかしいのまでそのまま書く。
「俺には必要な儀式だった」

「自分にはなにもない」
というのはウソだ。
頭の中にブレーキが発動して考えを止めている。
メモ繰り返すことで自分のテーマが浮き彫りにされ、無意識の安全装置を外すきっかけになる。

夏姫には表現できるものがぜったいにある。
潤平にはわかる。
唇をかみしめて練習している表情。
代役として舞台袖で振りをなぞっている姿が「夏姫」って感じがした。

自分の表現はみずから見つけなければならない。
夏姫はホテルの個室でメモを取り始める。
いまさら間に合わないかもしれない。
潤平だって数週間かかっていた。

しかしこれが夏姫にとっての基礎練習である。

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ダンスダンスダンスール16巻発売日は3月12日

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