ムラサキが攻撃態勢にはいる
マリンちゃんにきびしく牽制されても
ムラサキの態度はくずれない。
委員長との会話をつづける。
ムラサキ 対 委員長の立ち会いも続行。
「さっき瞬殺って言ったけど」
「肩甲骨が解放されたわ」
「これけっこういい勝負かもよ」
ムラサキのほうから攻撃するつもりだ。
「全力で行くわ」
委員長に予告した。
因縁の対決
マリンちゃんの父上は武道家だ。
無敗と思えるくらい強いが、
かつて敗北したことがある。
相手はムラサキの母だ。
場所は戦場。
ムラサキの母は戦場カメラマンだった。
風紀委員長の姿が、マリンちゃん父のイメージと重なる。
委員長がふたたびムラサキの前にたつ。
親たちの戦いが子どもたちの世代に引き継がれている。
ムラサキは集中する。
「必殺の一撃」を放つための身体はどうあるべきか。
武道でもダンスでも共通する状態がある。
力み過ぎてはいけない
ゆったり構える
ムラサキは翔之介の動きを想像する。
クリープがコーヒーに溶けて行くかのような感覚。
翔之介を目で見て、手で触れて掴んだ感覚がある。
いっしょに踊ったことで、ムラサキはそれを皮膚感覚で理解した。
翔之介の身体は、ムラサキの母の身体に似ていた。
身体の使い方にあいつうずるものがあった。
ムラサキはイメージをひろげる。
地球サイズをこえ、惑星サイズをこえ
天体同士がぶつかり合う時の反応を呼び起こす。
「ダイヤモンドの風」
柔らかさと硬さを兼ね備えた強力なイメージがムラサキの中にある。