#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ#１８巻#１５５話

更新日：2020年9月29日

YAGPガラコンサート

決戦の翌日、ガラ・コンサートがある。
結果発表の前日に、開放されてたのしむ一日をはさむ。
ステージは盛り上がった。

潤平はまたドンキをおどった。
参加５００名の中から数名の出場者に選ばれたのだ。
すでに観客の期待を集めている。
「ほんとにグランプリ、獲っちゃったりして・・・」
日本からのスタッフも、潤平に期待している。

ホテルにもどった潤平は部屋でひとり
観客の拍手を思い返している。
ステージの上でライトと拍手をあびて立つイメージが
ホテルのベッドの上でよみがえる。

翌日、結果発表だ。
表彰式はネット中継される。
関係者たちが中継を見守る。

生川家では綾子先生
潤平の実家
都と千鶴先生。
ロシアではるおうが（実は）見ている。
久しぶりメンバーが登場してうれしい。

まず女子から発表。
夏姫は２位。
本人はショック。
グランプリを取りたかった。
本番は最高の出来ではなかったようだが、
それでも１位は取れると思っていたのだろう。

夏姫の弟はすなおに喜ぶ。
「スゲェ！！」
夏姫の父も
「夏姫っ、おめでとう」
２位でも充分すごいのだが。

綾子先生の予想通りの順位だった。
１位はアメリカの１３歳。
驚異のフィジカルを見せた参加者。
グランプリはインドネシアからの参加者。
「クリスタルのように」澄み切った「別格」のパフォーマンス。
ちょっと見たかった。

潤平は発表をドギマギして待つ。
結果は１位。
サシュコーは？
潤平よりさらに上位。
グランプリを獲った。
潤平の負けである。

YAGP１位はすごい。
充分すぎるくらいだが、潤平は満足できない。
グランプリを獲ってブランコに師事したかった。
このままでは生川に帰ることになる。

表彰式の後は報道陣からのインタビューだ。
「一言、今の気持ちをお伺いしたのですが・・・」
ひとことでは無理だ。
たくさんのことがありすぎた。

はじめて海外で踊って、いろんなやつに会った。
サシュコーと、オルガ先生、ブランコ。
バレエは進歩したがまだまだ力が届かなかった。

ひとことでは言い尽くせない。
潤平は無言で踊る。
（－今日は空が、青いぜ・・・）
一瞬のしぐさに感情が凝縮される。

あっけにとられるカメラマンに向かって
「夢の時間が、終わっちゃいました・・・」
潤平は大人の笑顔を見せた。

１０月１２日発売予定です。