ボールルームへようこそ11巻の発売日は4月16日
釘宮の救い
井戸川にほめられて、釘宮は赤くなる。
練習ちゅう井戸川をさんざんにののしったことが思い出される。
井戸川はただ後についてくるだけのパートナーではなかった。
しっかりと釘宮を見て、その戦いぶりを的確に評価する言葉を返す。
「ふたご」も客席から姿を消している。
釘宮を出待ちするため控室にまわった。
ふたりでニコニコ感想を語り合っている。
「方美ちゃん格好良かったー」
釘宮の順位などは気にしていない。
踊りそのものをしっかりとみてくれるファンもいるのだ。
ケガをして失われたはずの釘宮のスタイルが、
超人的なリハビリをへて帰ってきた。
順位も大切かもしれないが、
釘宮のダンス内容に果てしない価値をみてくれる。
多数決での優勝決定
たたら組と釘宮組は僅差だった。
スコアは同点。
多数決で1位2位が決められた。
技術的なうまさなら、
たたら<釘宮、
千夏>井戸川。
しかし踊りのスタイルが違いすぎて単純に比較できない。
「伝統と進化」だ。
伝統:イギリス正統派の釘宮ペア と
進化:未来をめざす自由なたたらペア。
むずかしい判定だったが
審査員たちはやりがいを感じて充実している。
悩みがいのあるダンスを見ることができた。
1位の楽しみ
ともあれ、たたら達は優勝できてよかった。
千夏とふたりでよろこぶ。
表彰式に向かう前に千夏はたたらにキスする。
びっくりするたたらへ客席から拍手がおくられる。
一度やってみたかった。
海外の選手は喜びのあまり、こういうことをやる。
それから賞状とカップの授与。
あらためて1位が心にしみわたる。
ストロボをアビて写真撮影。
そして「オナーダンス」だ。
優勝ペアだけが、フロアで観客の視線をあびて踊るのだ。
ここまで長かった。
たたら達は都大会で優勝した。
文字にするとそれだけだが、
たどり着くまでに、ぼう大な戦いがあった。
これからたたらはプロになって、世界で戦う。
イギリスのブラックプールで観客を圧倒する予定だ。
1巻の冒頭ではそうなっていた。
都大会はまだまだ旅のとちゅう。
めっちゃハードルが高いが、世界編が楽しみ。