ワンダさんのおかげで1回戦は突破
ワンダさんのダンスですべてがひっくり返ったのだ。
「ヤバかったもんねあのハマり方」
「全ムーブ刺さってたもん」
ほかの全員がグダグダだったなか、ワンダさんが奇跡的な踊りを見せて1回戦を突破してしまった。
カボくんは複雑な気持ちである。
それくらいワンダさんは圧倒的だったのだ。
観客の印象を塗り替えてしまった。
ワンダさんに対して尊敬と嫉妬がまじって
カボくんは気分が落ち着かない。
2回戦で昌谷高校に敗北
一凜高校は1回戦を突破して、士気を取り戻した。
このまま上に上がって優勝できるかも。
しかし2回戦で負けた。
相手は昌谷高校、実力負けだ。
音楽はCliff SavageのDougieのLike Savage (YouTube)。
輩っぽい。
昌谷高校のメンバーは笑いながら踊る。
自由だ。
雰囲気がめっちゃあっている。
文句なしの判定。
審査員票は3対0。
ワンダさん号泣、伊折先輩までも泣く
反省会が2回戦の話になるとワンダさんが号泣しはじめた。
一凜高校の先輩方があわてる。
ワンダさんがぼろぼろ泣いて、言葉にならない。
カボくんはあ然とする。
めっちゃ気まずい。
たしかに悔しいが・・・。
カボくんは伊折先輩をみてまたびっくりする。
伊折先輩も鼻をすすって泣いている。
あわてた内藤先輩がしゃべりはじめる。
バトルは良い経験になった。
つぎのコンテストもっと可愛くてセクシーなやつをやろうよ。
動画もアップしてバズりたい。
伊折先輩が唐突に言葉をさえぎる。
「ていうか腹減ったな!?」
伊折も悔しい気持ちを切り替えたいのだ。
しかしお前が嫌われるのはそういうとこやぞ。
アッセイさんからのアドバイス
バトル勝者たちの写真撮影がすんだら大会が終了。
あとは会場の片付けだ。
ワンダさんは元気にゴミ集めをしていて
カボくんはほっとする。
ワンダさんは通りすがりの審査委員長アッセイさんへためらいなく声をかける。
ワンダさんはアッセイさんからアドバイスがほしいのだ。
どきどきするカボくんを尻目に、ワンダさんはまっすぐたずねる。
「ダンスでお仕事していきたいんです。」
「そのために大事なことってなんでしょうか?」
ワンダさんはピュアで一生懸命だ。
アッセイさんも誠実だ。
仕事っていうのは・・・どれくらい他人の役に立つかで決まるんじゃないかな?
君のダンスが誰にどう役に立つのか・・・
それがわかった時が食べれるようになるときかもね
意味がわからん。
聞き耳をたてていたカボくんも「よくわからない・・・」ととまどう。
ただしアッセイさんは具体的な提案もしてくれた。
「よかったら夏休みに俺の作品の練習に参加しなよ」
ワンダさんにショーに出ないかと誘ってくれたのだ。
ワンダさんはふたつ返事でもうしこむ。
迷いなしだ。
ダンスバトルに出たかいがあった。
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