課題はベアトリスとのデート
コッペリアのパドゥドゥをいきいきと踊るためにどうしたら良いのか?
ブランコからの指示は「デートして来い!!!」
シンプルな解決方法だ。
練習をやすんでニューヨーク・デートに出かけることになった。
ベアトリスは期待で頬を染めているが、潤平は気が重い。
生川時代に同じ課題を出されて潤平は惨敗している。
美術館でーとで年上の紅乃さんをぜんぜんエスコートできなかった。
ライバルの海咲に圧倒的な差をつけられた。
ノリノリなベアトリス
潤平とベアトリスはストレッチしながら向かい合って計画をねる。
「どこ行く?どこ行く?」
ハートマークが飛んでいる。
ベアトリスは前向きだ。
15歳のブラジル人、遊びに行くのが楽しみで仕方がない。
年上おねえさんの紅乃さんとは正反対だ。
ベアトリスはふだんほとんど出かけないらしい。
寮と教室の往復だけ。
レッスンと通信の勉強と家事だけですごしている。
見かけによらず禁欲的な生活。
潤平がなぜかデートプランを提案
「どの辺で遊んでるの?」
興味津々のベアトリスに問われるまま潤平は話し始める。
・ブルックリン美術館の中庭でジャズライブ
・コニーアイランドで遊園地と水族館
・ニューヨークからブルックリンへフェリー
ベアトリスの食いつきがめっちゃいい。
無邪気に期待している。
いつのまにか潤平はデートプランを提案している。
話しながら潤平は突然おもいだした。
見たかった展覧会があった。
グッゲンハイム美術館でシロップ・サボン特別展がある。
「私もそれ行きたかったの!」
デートの行き先は美術館にきまった。
潤平はあせる。
兵ちゃんに連絡してデートの付き添いを頼み込む。
生川時代から何も変わっていない。
うぶすぎる。
ベアトリスとデートしたら夏姫に合わせる顔がない。
いまだに純粋に気にしてしまう潤平を、兵ちゃんは突き放す。
南米美少女の力
翌日、待ち合わせ場所に現れたベアトリスはめっちゃかわいい。
「こんな気分だったのかよ・・・」「フランツの気持ち」
潤平の腕をさりげなくとって、ベアトリスは答える。
「それは、惚れ直したってこと?」
顔が近い、やばい。
潤平の顔がギャグ漫画レベルでゆがむ。
クロークを通過し展覧会のなかへ・・・
「こっから観るのかな?」
ベアトリスが潤平の腕をひきよせる。
胸にあたっている。
これが、南米美少女の力っ・・・
潤平の頭の中でサンバカーニバルが行進をはじめた。
兵ちゃんとベアトリスの会話
展覧会に兵ちゃんが現れた。
潤平からのエスコートの頼みを断ったけどやっぱり来てしまった。
安心してテンションが上がる潤平。
兵ちゃんに日本語で話しかけまくる。
おめあての「シロップ・サボン」はかなり異端な写真家らしい。
異様な表現にベアトリスはたじろぐ。
「アートだわね・・・」
そうとしかいいようのない突き抜けた被写体。
潤平はシロップ・サボンについて熱心に語りはじめる。
ついていこうとするけなげなベアトリス。
しかし、潤平は作品の世界にひとりで没入してしまった。
マイペースすぎる。
ベアトリスは取り残されてしまった。
「私もそれ見たかったの」なんてウソだ。
いい子すぎるぜ。
ベアトリスは兵太から潤平の話をききたがる。
子供時代の話を聞き終わると
ベアトリスは兵太をみつめて問いかけた。
Are you love with Jumpei?
(潤平を愛しているの?)
潤平のゲイ疑惑。
たしかにシロップ・サボンは男たちを撮っているし、
潤平は兵太とよく遊んでいるらしい。
兵ちゃんだって、日本にいるときは女装したあげく自撮りしてたわ。
ベアトリスがうたがうのも無理はない。
ダンサーはゲイが多いっていうし。
兵ちゃんは、疑惑をあっさり否定する。
潤平はノーマル。
ただ子供っぽいだけだ。
素直なのはいいけど、見ていてひくくらい幼いところがある。
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